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今年も冷やし担々麺の季節が来たよ!

もう冷やし担々麺がはじまっているだろうなぁ…、と思って九段下の「三希房」。

父の定宿だったグランドパレスホテルの向かい側にある四川料理のおいしいお店。

会食なんかによく使ってた。
特に火鍋がうまかった。
出張が多くて野菜不足になりがちの父が、ここで食べると体の調子が良くなるんだとよろこんでいた。
そのグランドパレスもすっかり足場でおおわれて解体作業の真っ只中。思い出がちょっとづつ剥げてなくなる感じがさみしい。
今でこそ冷やし担々麺を提供する店は多い。

けれどここがはじめた15年ほど前にはまだ珍しくっておそるおそる食べたらこれがびっくりするほどおいしくて、ふたりしてたちまちオキニイリになっちゃった。以来タナカくんの大好物。

ショートパンツが履ける季節になるとソワソワしはじめて、ひとシーズンで3,4回は必ず来ていた。
冷やし担々麺のセットに小麻婆丼を追加して、偲ぶランチにすることにした。

脂を丁寧にとったひき肉。
砕いたナッツ。シャキシャキもやしに刻んだネギ。
そしてたっぷりの粉山椒。具材すべての味がほどよく整っていて、それだけ食べても十分おいしい。

すりつぶしたゴマやナッツのとろみがスープをポッテリさせてキリッとしめた麺にからんで口の中へと滑り込む。辛みよりもうま味が最初にやってきて、じわじわ辛くなっていく。冷たいスープだからじっくり味わうことができるのが熱い担々麺と違うとこ。

スープ自体のうま味にゴマのコクに渋みに甘みがまじる。ほのかに酸味も感じて最後にビリリと山椒が風味をつける。
しまった麺はザクザク歯ごたえ心地よくスープの粘りを引き立てる。

麻婆丼の麻婆豆腐は一転、熱くてビリビリ辛い。辛い以上に痺れが強くて喉の入り口に大きな洞窟が開いたような感じがしてくる。水を飲むとヌルンと重たく甘く感じる不思議がたのしい。

塩と油で味ととのえたもやしに酸っぱい春雨サラダ。味付け玉子がよき箸休め。

最後にお酢をスープにたらし口をスッキリさせて〆。おいしかったよと報告します、オキニイリ。


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