バリっでザクっでクシュっでジュワリ。地焼きの鰻
昼は鰻。「喜多川」というお店。
生活道路に面した郊外店で、連日行列ができる店。
開店と10分後に駆けつけたからすぐ座れたけどお店を出るときには20人ほど待っていた。お年寄りの割合が7割くらいかなぁ…、客層アダルト。
ここに限らず日本全国、地域に根ざした鰻専門の店の人気は絶大でどこもシニアがメインの客層。熟年世代にとって鰻は贅沢な憧れ食材。せっかくの外食だからご馳走を食べましょうよ…、ってときに選ばれたやすい料理なんでしょうね。
しかもメニューを見てびっくりしたのが安いこと。専門店でありながら1000円台でお腹いっぱいになるとしたらそれはお値打ち。2200円のうなぎ丼の上をたのんで試す。700円のきも焼きを追加でたのんで2900円也の昼。
10分ほどで、きも焼き到着。
2本でひと皿。
それから5分でメインのうなぎ丼がやってくる。
蒸さずに焼いた地焼きの鰻。
タレがこんがり焦げて仕上がりカラメルみたいにツヤツヤしてる。脂とタレが混じって焼けた香りがおいしい。
きも焼きを串からはずして鰻のかたわらに添えて盛り付け、「うなぎきも焼き丼」にする。なんとめでたくおいしい景色!
鰻はほどよき大きさ、ほどよき厚さ。噛むとザクっと歯応えがありクシュっと壊れておいしい脂がジュワッとしみだす。口がひんやり涼しくなるような脂の旨み。甘辛いタレ。焦げた香りに硬めに炊けたパラパラご飯。ボクの好みの組み合わせ。
蒸して仕上げるお江戸の鰻も嫌いではない。脂がほどよく落ちたところにサラッと辛めのタレがからんでとろける食感もおいしいけっrど、口の中で暴れるような力強さに溢れた地焼きの蒲焼に、負けぬコッテリ味のタレが合わさる名古屋の鰻はまるで別物。
鰻を食べてるって実感はこちらが強烈。ねっとりとろけるきも焼きの食感、渋みや苦味も鰻の食感、風味を引き立てる。
それにしても量がたっぷり。連れてきてくれた地元の人のたのんだひつまぶしなんてゆうにご飯一合分はあるんじゃないかってボリュームで肝吸いの肝も大きく立派。待っても食べたい…、って気持ちもわかる。いいお店。