榊わい(お人形P)

榊わいです ボカロP

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安眠

言葉がわたしを 見透かして 言葉がわたしの 型をとる 今の空気が ざわめきが 今のわたしが 安らぎが せんねんまんねん 彼方まで せんねんまんねん 彼方まで 続いてほしいと 思う 続いてほしいと 思う

    • ぬる

      今のわたしの 胸の中 きっとどこかに さよならだ あの日わたしが したことも あの時わたしが 辛いこと 今のわたしの 頭には かつてのわたしは きっといない あの時胸を 潰したこと あの時腸が 断たれたこと 見つめていたいの 今はただ あそこの街を あそこの音を おもっていたいの 今はただ あのこのことも わたしのことも

      • 鼓動

        わたしの胸が 痛むとき わたしはわたしに 蓋をする わたしの胸に 穴が空き ことばがそれを 覆い隠す わたしの胸を 捕まえて わたしの鼓動を聴いてほしい あなたの胸を 抱きしめて あなたの鼓動を 聴かせてほしい どうか どうか わたくしを ほねのずいまで あたためて どうか どうか わたくしが きえるときまで ここにいて

        • 待合室

          こころの棘を 立てるより ここは眠って 肩透かし こころの袖が 気になって ふと足止める 今日未明 かたちのちがった 毎日で かたちのちがった めぐり合わせ さいころふって いちにのさん おみくじひいて いちにのさん 頭の中の みんなにも ここは挨拶 こんにちは 言葉の底の 思いにも まずは一声 こんにちは

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        • 資料館
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        記事

          雨垂

          雨垂が 日を塞ぐ 雨垂が 視界を塞いぐ 雨垂が 耳に響く 造作もない わたしの今で 雨垂に この身委ねて 雨垂に 足を沿わせて 雨垂に 歩み合わせる あゝ、胸がすく 雨垂よ この幻聴を 雨垂よ 胸のしこりを 雨垂よ その一握で 攫い給へよ 水の果てまで

          スカラベ

          あなたの捧げた 魂が あなたの守った ぬくもりが 今もわたしの そばにいる 今もわたしの 胸の奥 あなたのしらない このときが あなたがみえない このことが 震えるわたしの そばにいる 眠れるわたしの 隣にいる だからね、 どうかその手で 受け取って どうかその手で 受け取って  わたしの言葉の 一切れを わたしのこころの ひと盛りを

          臓物

          ベイベ ベイベ そこにいて 臓物みたいに 傍に居て ベイベ ベイベ あっちいけ この臓物が 煮える前に

          記憶

          忘れたくない 忘れたくない まぶたに映る この今を 忘れたくない 忘れたくない こころがそこに あったこと こころをつなぐ ひとときが たしかにそこに あったこと

          祈り

          なもないひとりの ニンゲンの なもないひととき エピソード なもないひとりの ニンゲンに なもないくらいの しあわせを せんねんさきの このときも あらんことを アーメン せんねんさきの わたしにも あらんことを アーメン

          胎児

          むねのことばが 足りないんだ この声を言う ことばこそが むねの形が つぶれそうだ 拭うおそれは 今も尚 こわいよこわいよ たすけてよ こわいよこわいよ たすけてよ せんねん先を じゅうねん先を 憂うおそれは今も尚 せんねん先を じゅうねん先を わたしは今も おそれている むねの奥底 抱えつつ 赤子のように 眠るのだ

          今昔

          捉えて見えた このときが 横目で流した このときが わたしを彩る 物たちの むかしむかしの あるところ こころの奥の これこそが かつての今の この感情 わたしを過ぎた 思い出の むかしむかしの あるところ あゝ 流れる流水よ 渇きの上の 華であれ あゝ 過ぎ去る思い出よ 冷たいわたしの 華であれ

          言葉の奥に わたしの奥に 触れてみたいと 思う 墓標の隙間 修行の合間 祖業の欠片にさ かなたの土地を 見上げる途中 見つめていたいと 思う わたしの身体 この胸の中 この手のひらでさ

          非力

          今の私が 生きるのは かつての私の 亡骸だ 残した遺言 筆跡が 胸の深くに 眠っている 今の私が わかるのは かつての私が 若いこと 見ていた世界が 生きていて 素直な言葉が 響いたこと 今の私が 思うのは ただ力だけ ついたこと ただ自由さを 貰ったこと

          始皇帝

          あなたが持ってる 後悔を わたしが抱える 悲しみを 混ぜて溶かして 傷に塗って 愛していると 嘯いて あなたの捧げた 切り傷を わたしの差し出す その痣を そっと握って 拭わないで そっと永遠 手放して  あなたは胸の 奥底で 朽ちた枯れ木を 撫でている

          潮目

          ひとかけらごとの 毎日が ひとかけもなく 来るとして 両目を開ける その時が たしかに来ると 言ってほしい ひとひとりぶん この息が 磯のまにまに 消えるから 私が見ている 今ここに  居てほしいのだ あなたこそ いをのをこぜの 見た色が 私であれと 思うだけ

          zip

          草葉の陰か アスファルト どこかで聞いたよ その声を 胸のおくから こころから わたしが言うのだ このように かなたかここか かすかにも 匂えるこころ 僅かにも 焼ける胸さへ 涙ながら わたしは見てきた この身体 見えない見えない 宝物 消えない消えない いつまでも 鍵をなくした 気持ちでも そっと仕舞おう ポケットに きっと飾ろう フォルダーに