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医療法改正(第5次と第6次) 社会福祉士国家試験対策 保健医療サービス

1.第5次医療法改正について



前回から続きまして、第5次医療法改正です。2006年、平成18年に改正され、第5次医療法改正が2007年4月1日に施行されました。
これは、小泉政権の構造改革である「聖域なき構造改革」の一環として行われ、「2006年の医療制度構造改革」と言われるもので、医療法全般にわたって大幅に手が加えられました。
この第5次医療法改正の大きなポイントを4つ挙げておきます。
1つ目、医療計画制度の見直し等を通じた医療機能の分化、地域医療の連携体制の推進を図ること。
2つ目として、地域や診療科による医師不足問題への対応です。地域、場所による医師不足以外にも、診療科で言うと、全国的に産科、小児科、そういったものを中心に医師が非常に少ないということがあります。小児科や産科というのは、リスクが非常に高い割にそれに見合うだけの収入があるかと言えば、ないんですね。こういうことが原因です。
この医師の不足、偏在というのは、場所の偏在と、診療科の偏在との2つがあるわけです。
3つ目として、医療に関する広告制限の見直しです。従来は、患者が誤解をしないようになるべく制限された内容を知らせて、それ以外のことを勝手に宣伝しないようにして、広告制限をしていました。しかし、この改正では、逆に、患者に対し、医療のことを知らせ、その内容を知ってもらうことによって、患者の医療の選択権を支援していこうという方向に政策の変換をしています。要するに、国側が、適切な医療を提供するため、患者の選択を支援するという形に変えますよという改正をしました。具体的には、例えば、病院や診療所は、自施設の平均在院日数を広告してもよくなりました。この事項は、医療を受ける者による医療に関する適切な選択に資するものだからです。

第25回第73問の選択肢では、「我が国の医療提供施設に関する問題で、病院や診療所は、自施設の平均在院日数を広告してはならないこととされている。」との内容の正誤が問われています。

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