「自主研のススメ」51.進化思考×AI
これまでも紹介してきた『進化思考』
何か物事を進化させたい時に使える技術として最高なのですが、最近ではこの進化思考の型を使いつつ、アイデア出しは自動生成AIに頼りながら作業をするようになりました。
さらっと書きましたが、これ革命的なことかも知れません。
というのも、進化ワークは全部で54もあるのですが、自分の頭で考えるだけだと解の数が限られるところ、自動生成AIを使用すると無数のアイデアが提案されます。あとは、その候補の中からチョイスすればよいので、進化の精度を高めるプロセスをより短時間で、より高みに引き上げることができそうなのです。
そこで今回は一つのサンプルとして、進化の対象(x)を「自主研」としてワークをしてみたので紹介します。
進化ワーク38-1 見えない敵
自主研活動を推奨するも、なかなか活動の輪が広がっていきません。
その理由は何か? 見えない敵の正体と奪い合っている資源は何かを自動生成AIで抽出した結果は次のとおりです。
自治体職員は基本副業NGなので冒頭からして微妙に感じる人もいるかもですが、その他は比較的納得できる面大きいかと。特に、前々から主張している自主研「5年の壁」=自主研立ち上げ後、5年くらい経過すると、結婚・出産・育児といった家庭環境の変化や、多忙部署への人事異動で時間取れなくなってしまい活動が停滞するというのがありますが、それらは確り上記の表に含まれています。
その他として、自主研以外での自己啓発として、資格試験やビジネススクール。その他としてSNSやスマホが例示されています。
進化ワーク38-2 資源の確保
その見えない相手とのあいだで、どんな資源を奪い合っているか。上記とワークと被る面もありますが、資源の面からみると次のように整理できました。
【時間資源の奪い合い】- 平日夜間の時間
* 残業 → 自主研活動の開催困難
* 育児・介護 → 参加者の確保が困難
* 資格試験勉強 → 学習時間の競合
* 家族との時間 → ワークライフバランスとの葛藤
【エネルギー・集中力の奪い合い】- 心身の余裕
* 残業 → 疲労による意欲低下
* 育児・介護 → 精神的・肉体的疲労
* SNS・スマホ利用 → 注意力の分散
【場所・設備の奪い合い】- 会議室・施設
* 業務改善活動 → 会議室の予約競合
* 趣味のサークル → 活動場所の競合
* 職場会議 → 設備利用の競合
【人的ネットワークの奪い合い】- 協力者・参加者
* 地域活動・ボランティア → 人脈の分散
* 職場の業務改善活動 → 協力者の重複
* 趣味のサークル → コミュニティの分散
【金銭的資源の奪い合い】- 自己啓発費用
* 民間ビジネススクール → 学習投資の競合
* 資格試験 → 受験料・教材費の競合
【モチベーション・意欲の奪い合い】- やる気・向上心
* 資格試験 → 学習意欲の分散
* 業務改善活動 → 改善意欲の分散
【組織的支援の奪い合い】- 上司・組織の理解
* 業務改善活動 → 組織支援の分散
* 残業 → 上司の理解・優先順位
僕個人的には、自主研やらなくても自己啓発する人が増えればいいので、資格試験等との競合は良きことと肯定してます。
進化ワーク39 ニッチを探そう
これまでの競争を避けられる、新しい生き残り方を模索するということで、競争相手のいない生態的地位があるとしたら、それはどんな場所でしょうか?
1. 【朝活型自主研】
- 早朝の時間帯(7:00-8:30)で、他の活動との時間的競合を回避
- 心身が新鮮な状態での学習効果
- 勤務前の習慣化により、他の夜間活動との競合回避
2. 【マイクロラーニング型自主研】
- 15-30分単位の短時間学習(昼休みや休憩時間の活用)
- 負担感が少なく継続しやすい
- スマートフォン等を活用した手軽な学習
3. 【オンライン・ハイブリッド型自主研】
- 通勤時間や隙間時間を活用+場所の制約からの解放
- 育児・介護との両立可能
- 録画機能による学習機会の確保
4. 【業務クロス型自主研】
- 業務改善活動と自主研を融合し、通常業務の一環として位置づけ
- 実践的な学びと即時の業務応用
- 上司の理解・支援を得やすい
5. 【プロジェクト解決型自主研】
- 具体的な地域課題や行政課題と連動
- 実践的な問題解決学習
- 成果の可視化が容易
- 組織からの支援を得やすい
6. 【クロスジェネレーション型自主研】
- ベテラン・中堅・若手の知識・経験の共有
- 世代間交流を重視し、メンター・メンティー関係の構築
- 組織の知識継承にも貢献
7. 【ファミリー参加型自主研】
- 家族も参加できる学習テーマ設定
- 家族との時間と学習の両立
- 子どもの社会教育の機会としても機能
- 地域貢献との連携も可能
8. 【ウェルビーイング型自主研】
- 心身の健康増進と学習の統合
- ストレス管理やマインドフルネスの要素
- 働き方改革との親和性
- 持続可能な学習スタイルの確立
9. 【マルチスキル統合型自主研】
- 複数のスキル習得を同時進行
- 資格試験学習との相乗効果
- 多様な学習ニーズへの対応
- 参加者の相互学習効果
【AI】これらのニッチは、既存の資源競合を避けながら、むしろ他の活動との相乗効果を生み出す可能性があります。また、従来の自主研活動にはない新しい価値を創造することで、組織や参加者からの支持も得やすくなると考えられます。実際の導入に際しては、組織の特性や参加者のニーズに応じて、これらのアプローチを組み合わせたり、カスタマイズしたりすることも効果的でしょう。
とのことでした。これらニッチを整理すると、1~3は特に時間的制約からの解放、4~6は業務に近づき、7~9はテーマとしての提案といえそうです。
僕個人的には、15~20分の短時間学習会企画はどうだろう?という気になりました。
最後に
ここまで進化思考×自動生成AIの例を見ていただきましたが、いかがでしたか? 今回はワークのほんの一部だけの紹介でしたし、AIも壁打ちで深掘りしていないわけですが、それでもここまで事象を整理したり、アイデアを湧かせることができるのです。
あとは、実践にどう移すか。この辺りからは仲間と相談して決めるのがよいでしょうね。