私たちは消された展2023雑記
狂気(狂喜)に満ちた一週間が終わりました。
今回で5回目という事で私たちは消された展を振り返ってみたいと思います。
思えばSNSで消された事が発端となり、半ば思いつきのような形でスタートした消された展ですが、当初は単なる知人同士が集まったグループ展でした。初回の11名から残っているのは、天野さん、フクサコさん、菱川さん、と私含め4名。新たに加わる人、去って行く人、捕食と脱皮を繰り返し巨大化する蛇のように思想と表現の化物のような展示に成長しつつあると思っています。
初回の2019年は“消された”という事だけが先行し、私も撮りおろしではなく過去作を展示したのみでした。文化祭みたいな乗りで初回は入場無料だったんです。
2020年に公募を始め、入場料を頂くようになりゲストとして釣崎さんに参加してもらいました。コロナ禍をギリギリすり抜けたのは運が良いなーと思ってました。
2021年は女性出展者が増え、ギャラリーストーカー問題が発生したのもこの年でした。加えて#私たちは消されたを付けて写真投稿して下さい。というギミックを嫌がり撮影禁止とする出展者もおり、なんだかギスギスした雰囲気になってしまい、自分的には不完全燃焼な展示でした。
この頃から今残っている出展者も意識が変わり、単に作品を並べる形から、いかに見た人の心を揺さぶる作品を出すかに変化していったような気がします。
2022年から大きく変わったと思います。
彫金、ステッカー、緊縛生展示といわゆる写真展ではない表現方法の出展者が増え、私の中でも消された展の方向性が出来上がってきた年でした。
単に過激な物を出せばよい訳ではなく、性器のチキンレースにならないようにエロとグロとユーモアとアナーキズムをミックスしたいという私のイメージに沿った出展者の方が増え、やっと手応えを感じた年でした。
そして2023年は公募要項も変え、垢BANに恐れず定期的に作品をアップしているアカウントを必須としました。
普段からSNSの目を欺きどうにか自分の表現を世に出そうと足掻いている人達を集めたかったのです。
2022年は23名だった出展者を18名に絞りグッと濃い展示になったと思います。
来場者の層も変わったのは嬉しかったです。アンケートで一番嬉しかったのは「全体的に胸焼けする感じがしました」という言葉。
表現とは技術の披露ではなく感情の伝達であるべきだと思っています。
2019年に開催された『櫛野展正のアウトサイド・ジャパン展』を見て私は熱出して一週間寝込みました。
怨念や執念の籠った展示を見るとどう受け止めてよいのか判らず心が混乱するのだと思います。それから毎年開催されている『死刑囚表現展』
この二つの展示は上手い下手ではなく己の魂を吐き出す展示です。職業として表現をしている人間は「これが自分の表現だ」と発表してもどこかで、人にウケよう、よく思ってもらおうという気持ちを払拭できないと思います。そこを振り切って己の魂をグツグツと煮込んだ出展者を揃えたつもりでしたので「胸焼け」という言葉は私にとって賛辞でした笑
ハダカエロイデスネーや出展者とただ駄弁りに来る方が減り、作品と向き合って何かを感じてくれる方が増えたと思います。
さて、そんな熱い想いを抱いて来場して頂ける方々の為にも2024年はさらに面白く毒々しくいかれた出展者を集めたいと思っています。
公募は7月1日開始、9月末締め切り、10月15日発表。
◆応募資格
政治的、差別的、あからさまなポルノ以外で自分としてはアーティスティックな表現だ!と作品をSNSにアップした故に凍結、投稿削除、警告、垢BANなどSNSでペナルティーを受けた18歳以上のアーティスト。
絵画、イラスト、写真、彫刻、映像などジャンル不問 (プロ、アマ不問)
作家も展示物に含みますので会期中は3日以上在廊できる方(滞在時間は短くても可)。
展示作品は性器のチキンレースではありません。作品性を重視します。
・垢BANにビビらず定期的に作品をアップしているSNSアカウント
・作例4点(実際に消された物でなくても可)
・展示予定作品 (制作が終わっていない場合、コンセプトとエスキースでも可)
以上が応募には必須となります。
皆様のご応募お待ちしておりますので7月まで牙を研ぎ澄ましお待ち下さい!
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