
主体性ってなんだ?
2024年12月園だより
保育現場ではよく聞く言葉。スタッフ同士で議論を交わしたこともありましたが、みなさんはどう考えますか?
園だよりに書いてみようと思い、ひとり悶々と対話しながら「主体性とは」って検索サイトで引いてみた。
『自分の意志・判断で行動しようとする態度』『やりたいことをやりぬく』『自分の意見をはっきり言える』『コミュニケーション能力がある』とかいろいろ言葉が並んでいる。そしてその先には「そんな主体性のある子どもに育てるには」と。怖(コワ)!思わず呟いた私。(先は読まなかった)
並んだ言葉はとても大事なことってわかってる。けれど自分に置き換えたら、やれてるか?いや、やらなきゃいけないときもあるけど(見えない何かにやらされている感じもある)、全くできないときもある。もちろんやりたいと思ってやってるときもある。意見だって言える時もあれば、言いたくないときもあるし、言わないという態度も、意見だろうと思う。意見を言う言わないの前に、何を聞かれているのかわからないとか、気にもならないとか、そういうことだってあると思う。意見が言えないからと言って、「主体性がない」なんて周囲から決めつけられること事態がおかしい。(でも、私自身が周囲の一部として、誰かをそう思ってしまったことがあった事実も隠さず伝えたい。反省)
「子どもの主体性」っていうキーワードは山のように溢れていて、こわいくらいに大人側の子どもへ向けるまなざしが洗脳させられる。子育ては全て、洗脳に苛まれているのかもしれない(とも思えてくる)。でもその頭でっかちなまなざしに、子どもはいつも型をぶちやぶれないジレンマやストレスを抱えているようにも見える。強いて言うなら、子どもの主体性とは「自分が自分らしくいられること」そう思いつづけたい。
ただ、ここで付け加えたいのは、自分らしさと、自分勝手はちがう。人はかならず他者とともに生きている。一人では生きていけない。だからこそ自分の思いも大切にしつつ、相手のこともリスペクトできる気持ちを育んでいきたい。これは子どもだけじゃなくて、大人の私たちもそうだし、死ぬまでずっとだと思う。
帰宅途中の道で「ムンちゃん、まだ抱っこさせてくれるんですね。うちもいつまで抱っこさせてくれるのかな〜」って、お互いに重たい子どもを抱えながら穏やかな気持ちで挨拶を交わした。とてもあたたかい気持ちになれた。未来を見ながら、今も大事に受け止めている。子どもの気持ちも、母としての自分の気持ちも。ムンが久しぶりに私に抱っこしてほしいと言った後だったので(私が約束を破ってしまい原因があるのだけど)、その一言がとても嬉しくなぜか切なくもあった。
子どもも、保護者も、スタッフも、みんなが自分らしくいられるような保育園に、これからもなっていけたらいいなと思っています。