バガー
ムン(1歳10ヶ月)は周囲より少し言葉が遅いが、パパとママのドイツ語と日本語を聞き分け、好きな言葉は何度も繰り返し使っている。例えば、みっくんの家で見たカメを覚えていて、近所の公園で見たカメに、「みっかん」と言う。保育士はなぜ「みかんなの?」と彼に聞くも、何度もねぇねぇ(聞いてよ)と手で保育士をとんとんと叩き、「みっかん」「みっかん」と低い声で言うので、後から親にもなぜでしょうかね?と問い、皆で分析した結果、『みっくんのカメ』ということになった。
ある日は「バカーバカー」と(”チコちゃんに叱られる”のキョエちゃんみたいに)叫ぶので、誰がそんなこと教えたんだ、、、と不思議に思って観察していると、指を指したその先にはシャベルカーが。正確に言うと、トラクターであれ、トラックであれ、彼にとって全てバガー。ドイツ語では「バギャー(結構難しい発音)=ショベルカー」なんだそう。割と合ってる。男児特有なのか、このバガーは本当に大好きで、今のところこの数ヶ月間ハマりまくっている。バガーの絵本はもちろん、全然別のテーマの絵本に出てくる小さな小さなバガーも探し当てる。そして見つけては誰かを無理やり連れてきて指を指し「バカーバカー」と甲高い声で叫ぶ。先日は、夜中に来るゴミ収集車の音で飛び起きて、私の身体を踏み台にして窓を覗きながらゴミ収集車の一連の仕事を眺めていた。眺めるのは彼の仕事(日課)でもある。動物園に行ったときだって檻の先に見えたのはバガーだった。大規模工事中の動物園では、小回りの利く小さなバガーを始め、巨大バガー(実際には何車か私にはわからない)などあらゆるバガーが勢ぞろいしていて、彼は数十分それに釘付け。次回は折り畳み用の椅子と書籍を持って同席したい。
この辺りの年齢の、無意味にも見える不可解な行動は、大人が目的を持って行動を共にしてしまうとストレスにしかならない。年齢に限らず、これが続いたとしても、この人はそういう人だと思って行動できればお互いにしあわせなんだと思うけど、それにはその状況を理解するための知識と、心の余裕が必要なんだろうな。一緒になってバガーを楽しめるように、バガーの知識も入れられたらいいけど、そこまでは、、、、ごめんよ〜