2021年11月の園だより
園だより
1747mの久住登山。10月の終わり、くじゅう連山の中で1番高い山に娘と登ってきました。参加自由、親子での登山が必須でしたが、園始まって以来の頑張る登山企画。(今回はごしょがだにの5歳児中心に)これまでの数回、登山を企画してきましたが、これだけの高い山は難しいかもしれないと半信半疑。子どもを信じること以前に、大人も登れるか不安もあり、有志の保護者たちと一緒に計画も入念に行いました。入山下山のタイムスケジュール、天候(気温、風速、体感温度など)、無理な場合のときの下山ルートのチェック、持ち物の確認など、大人も連日夜までミーティングを行い、登山有志メンバーの保護者のSさんにはタイムが入ったルート図を、Mさんには登山のしおりを作成していただき、これ以上ないくらいの準備を行って当日を迎えました。
経験豊富なTさんにも参加していただき、登山届を出して出発。登り始めたら勢いがよい子どもたちは、岩路も、急な登りも大人と同じスピードでぐいぐい登り始めました。後ろの友だちを応援するために来た道を戻ったり、あえて難しい道を選んだりと、子どもたちにとっては体感で2000m以上の山を登った感じではないかと思います。2時間くらい登った後にようやく遠くに顔を出した山頂を見て、「あそこまで行くんだよ」と言われた時は正直絶句しましたが(さらに1時間かかる)、子どもたちのワクワクした足取りに背中を押され、メンバー全員が山頂に向かっていました。時折、美しい紅葉を眺めたり、珍しい植物にも心惹かれつつ、何度も深呼吸をして自然の息吹を感じたり、山には子どもたちに伝えたいこと、残したいものがたくさんあります。そして登山は山頂に行くことだけが目的ではなく、そのプロセスが大事なんだと的確に教えてくれ、合計6時間以上かかったひたすら歩き続けるその時間にも見えない何かが詰まっていました。最後に冒険家の方の言葉を。
「世の中全てに不可能な領域はある。それを一歩ずつ、登山をするみたいに上がっていけばいい。」安東 浩正(日本 冒険家)