2021年12月の園だより

『189って知ってますか?』
"ピンポーン"。夜8時頃、玄関のインターフォンがなり、家のドアを開けると2人の女性が立ってました。「このマンションからお子さんの泣き声が聞こえると電話があったので来ました。子育てなどお悩みないですか?」とのこと。何が起きたのか驚くと同時に、『そうか、近所の人が虐待防止ダイヤルに通報してくれたんだ』と気がつき、「夜間にご足労いただきすみません」とお伝えしながら、家の状況や子どもの状況をお話ししたりしました。子ども専門員のお2人は、マンション内の小さな子どもがいる部屋全てを回っているとのこと。「兄弟で大声で喧嘩したり、パンツが汚れて変えるときに思いっきり嫌がったり泣いたりしてるので、それかもです」と専門員にお伝えしつつ、帰られた後は、自分の子育てを振り返り、反省して、少し落ち込んだりもしました。後日、マンションの上の階の友人に話を聞くと、手足口病で子どもがずっと泣いてて大変だったからうちじゃないかな、と話してくれたりもして、子育てを巡りいろんな状況があるんだなとあらためて気づかされたりもしました。何より、通報してくださった方が地域におられるということに、あらためて感謝の気持ちが生まれ、子どもたちを大切に見守ってもらっているんだなと思える出来事でもあったように思います。

さて、「189」もうお分かりですよね。虐待防止ダイヤルの番号です。189にかけると児童相談所(えがお館)につながり、専門員と話すことができます。通報した人やその内容に関する秘密は守られるので、誰が通報したか相手に伝わることはありません。「もしかして虐待かな?」と思う子どもを見かけたり、長く続く泣き声が聞こえたり、子どものSOSが聞こえた方は、24時間対応している189にためらわず電話してください。その電話で救われる命があります。
また、189は子育て中の私たちが笑顔になれる方法を一緒に考えるための相談ダイヤルでもあります。子どもに辛く当たってしまうなど子育てに悩んでいるときは、園や189に気軽に相談してもらえるといいなと思います。

そしてみなさんに心に刻んでおいてほしいことがあります。よくわかっておられることだと思いますが、あらためてみなさんと約束したいと思います。
『たたかれていい子どもなんていない』
しつけのために叩いても虐待です。虐待かどうかの判断は、保護者の意図にかかわらず子どもの立場に立ってされなければなりません。「しつけ」とは子どもの健全な成長発達のためのものなので、子どもの体や心に傷を与える「叩く」という行為は、たとえそれが「しつけ」のためであっても虐待となります。児童虐待防止法において、「児童のしつけに際して体罰を加えてはならない」と明記されています。
子どもには4つの権利があります。これをぜひ子どもたちにも伝えてください。
1.たたかれたりひどいことを言われない
2.元気に、健康に毎日をすごして成長する
3.保護者の人から育てられる守ってもらえる
4.自分の意見を言う、話を聞いてもらえる
子どもたちが生きる上で当たり前に約束されていることです。誰もこの約束を破ったり、無理にいやなことをさせることもできません。

先月11月は「虐待防止推進月間」で厚生労働省主催、福岡県・福岡市・北九州市共催として、私たちが研修を受けている「子どもアドボカシーセンター福岡」の方々が全国フォーラムを開催されてました。福岡タワーにオレンジリボンや、189でライトアップされていたようです。福岡のまち全体で、子どもたちの権利を守り、子育て中の保護者の支援ができる社会づくりに取り組んでいきたいですね。

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