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落選した時こそ、焼肉だ!

 嬉しいことや、頑張ったことのご褒美に食べる、それが焼肉。
 何かをお祝いしたい時には、みんな食べに行く焼肉。

 でも、わたしの場合は逆なのだ。
 落選焼肉が、わたしの定番

「普通、逆だろ!」
 とはよく言われるけれど、小説の賞で落選した時には、焼肉を食べることにしている。
 受賞できたら、それ自体がご褒美なので、焼肉の必要なし

 考えてみて。
 もし落選したら、ただただしょんぼりするだけで、何もないっていうのは、追い打ちに近いよね。
 選考結果が近づくにつれて、そわそわと気持ちが削られて、本当にダメだった時の落胆といったら、もう……。
 でも!
もしこれがダメだったとしても、焼肉へ行けるしな」
 と思っていたら、そのメンタルの削られっぷりは軽減される。
 受賞できても焼肉へ行くことにしたら、落選のショックを軽減する意味も効果も薄れてしまうよね。

 歴史小説にて、とある賞で最終選考までいけた。
 なので、いつもより一つ上のランクで、牛タンも食べまくれるコースにしようと決めていた。

 編集者さんからの電話にて、
「残念ながら……」
 と聞かされた時の、激しく奈落へ突き落とされるほどのしょんぼり感。
 そんな気持ちの急落下を受け止めてくれるクッションが、焼肉なのだ。

 落選の報を受けた翌日、さっそくいつもの焼肉食べ放題コースへ。
 いつもは豚タンまでしか注文できないコースだけど、今回は牛タンも食べまくれる。
 これも、運良く最終選考まで行ってくれたおかげだ。

お皿にぎっしり、牛タンだらけ

 あまり焼きすぎない、レアがわたしの好み。
 さっと炙り、さっとお皿へ。
 焼きすぎて固くならない食感と歯触りが、心地よい。
 とりま、6人前を一気に注文し、ひたすら焼く、食べる、焼く、食べる。
 焼いている最中に振った塩が、熱と脂に溶けて牛タンに馴染む。
 仕上げにレモン汁へちょいとつけて、口の中へ放り込むたび、嬉しい酸味と塩味が口中を満たす。

牛タンは、さっと炙ってさっと食べる!
厚切り牛タンも投入!

 もちろん、他のお肉も食べる。
 ほぼステーキにも等しい、巨大カルビも焼く。
 脂が多いので、炎の上がりっぷりも豪快だ。
 両面を焼いた後には、網の端っこへ移動し、ほぼ予熱的に熱を通す。
 こうすると、焼きすぎることなく、じわじわ火が浸透し、レアあるいはミディアムに近い焼き上がりで、とても柔らかい。

超特大カルビ

 ハラミ、モツ、ミスジ、レバー、じゃんじゃん焼いては、網の端っこへ移動させ、頃合いを見て引き上げる。
 わたしの好みは、わさび。
 これが脂っこい肉にはよく似合う。

ハラミとミスジ祭り!
焼肉にわさびは必須調味料
うわははははは燃えろ燃えろ!

 束の間、肉々しい饗宴に舌を喜ばせながら、
「わたし、頑張った! わたし、よくやった! 結果は残念でも、これでまた、次に挑戦できる!」
 本当なら、落選焼肉なんてこれが最後であってほしい。
 もしいつの日か、賞に応募する必要もなくなった暁には、やがては「新作刊行焼肉」に移行できるといいな、と切に願う。
 今はまだ、無念の思いを受け止めてくれる焼肉が、わたしには必要。

わたしがいつも利用する焼肉屋さんは、去年から白飯がパワーアップした。美味!

 残念だった時にこそ、焼肉へ行こう!!
 次への挑戦に必要な気力をチャージするために!!

はちゃめちゃに食べても、スイーツはすっと胃へおさまる✌️

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