【沖縄】その5 バンジーそば
ダイビングを楽しんだ後の、お昼。
昨日は道の駅でソーキソバを食べてはいたものの、せっかくだから有名店でも食べたいと考えていた。
なので、あらかじめ調べておいて〔山田水車屋〕というお店をお昼の予定にくむことにした。
ところがいざ立ち寄ってみると、
「バンジーそば……え、めっちゃ楽しそう!」
名物のソーキそばに加え、名物の手作りバンジーもセットになった食券が1000円!
その手作りバンジーは、もうね、見るからに手作りで、
「安全性の面を考えると……スリルがありすぎて、こりゃ乗らない訳にはいかないよね!」
選ばない理由が、どこにもない。
手作りバンジーは、椅子にすわる方式で、ワイヤーにより「ぐいぃぃぃぃぃん」と引っ張られて、高い位置まで昇るのだ。
ようするに、ブランコなのだ。
いざ、位置についたその時、
ガシャン!
椅子付きブランコが、弧を描いて発射。
そのまま、目の前にある道路と、その手前にある溝だか堀だかの、窪んだ場所の上へ。
もしここでワイヤーが切れたら、まず間違いなく、道路へと放り飛ばされ、そのまま走行してきた車に轢かれるという仕様である。
わたしの時は、とりま、そんな事故もなく、プチ絶叫マシーンのように前後にぶらぶらと揺れて、元の位置へと戻ったのであった。
このお店、とても個性的。
バンジーだけではなく、店内のオブジェがどれも古ぼけていて、得も言われぬ風情があった。
壊れているけれど、装飾が派手な三線。
錆びて埃まみれの扇風機。
ででーんと存在感のある招き猫。
住み着いた猫。
ある意味、前に紹介した〔北温泉〕の沖縄版みたいな風景だ。
バンジーを堪能したわたし達に、お店のご主人は親切にしてくれて、これまた古ぼけたCDラジカセで、沖縄の音楽をかけてくれたのだった。
なかなか演奏が始まらず、苦戦してたけど。
ちょっと調べてみたら、残念ながらこの〔山田水車屋〕は2021年の末くらいに閉店したらしい。
あのバンジーと、美味しい沖縄ソバがもう食べられないと思うと、寂しいけれど、むしろぎりぎりながら、閉店する前に訪問が間に合ってよかった……そう、思うことにした。