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【信州上田】2024秋の信州旅その5 品よくレトロな、上田のみすず飴

 上田のおみやげと言えば、やっぱり〔みすず飴〕を推したい。
 他に蕎麦、味噌、亀齢などの日本酒、美味だれなど、選択肢はいろいろあって目移りするけど、やっぱ、みすず飴しか勝たん。

みすず飴本舗

 上田駅の前の交差点に立つ、みすず飴本舗。
 外観は洒脱で古風な石造り。
 内装も、期待を裏切らない品の良さ。
 茶系統の木壁は落ち着いたつやを放ち、オルガン、柱時計などの骨董品が店内を静かに飾っている。
 店員さんたちも上品な物腰と制服で、こちらが照れるくらいの丁寧さで応対してくれる。
 無料で試飲できるジュースも置いてあるのが、愉しみのひとつ。
 今回はバレンシアオレンジが飲めた。

みすず飴本舗の看板、かわいい

 みすず飴は、硬いゼリーというか、柔らかい飴というか、様々な果実の風味がそろっている。
 りんご、ぶどう、杏、桃、三宝柑、梅、などなど。
 お家で、ちょっとした時にわくわくしながら、
「今度は、どの味を愉しもうかなー」
 とつまめるし、誰かへのおみやげにするのも、よし。

みすず飴

 みすず飴本舗の主力は、みすず飴だけではない。
 ジャムの種類が半端ない。
 そのすべてを、小さなスプーンですくいとって、味を確かめられるようになっている。
 なんなら、みすず飴よりも種類が豊富だったりする。

 信州名物のりんごはもちろん、三宝柑、紀州のバレンシアオレンジ、いちご、あんず、ブルーベリー、ぶどう、桃……。
 さらに珍しいところでは、桑の実、ルバーブ、ほおずきなどの、滅多には味わえそうもないラインナップも並んでいる。
「ルバーブか……食べたことないや」
 あまり詳しくはないので、その場で検索してみる。
 どうやらハーブのような感じらしい。
 褐色に近い濃緑色で、ますます草っぽい。
 お通じにも効くらしいので、ますます薬草っぽい。
 実際、帰宅後に食べてみたら、とても風味がよく美味しかった。
 ただ、わたしのお通じは、ルバーブの薬効よりも頑固だったようで……。

四季のジャム

 ところで数ヶ月前に実家へ行った時。
 その直前前に上田へ寄っていたので、みすず飴をおみやげに買ってゆくつもりでいたのだけど、
「あああ、もう17時……」
 惜しいところで閉店となり、諦めたものだった。
 あの時はけっこうな強行軍だったから、まあ仕方がない。
 次に出す青春小説の現地取材をしているうちに、どんどん夕方が迫ってきたし。
 なので、翌日に実家を訪れた際には、見事な手ぶらとなった。

 そのまま真夜中に車をとばし、
(あーあ、みすず飴、味わってほしかったなあ)
 などと無念に思いながら、朝になるまで、実家ちかくのショッピングセンター駐車場で仮眠をとったっけ。

 あれから数ヶ月、今度は直接、両親をみすず飴本舗へ連れてゆくことができた。
 そのリベンジが果たせて、まんぞくまんぞく。

みすず飴

 この記事のシリーズ → マガジン「信州上田の旅と美味

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