【ハノイ】 ベトナムその2 ベトナム料理三昧と、おしゃべりし過ぎの夜
雨に降りけむるベトナム・ハノイの初日を、のんびりホテルの一室ですごす。
仕事が立て込んでいるのか、ハノイ在住の友達・Yさんからの連絡はない。
「ま、気長に待とうよ」
友達と言い合いながら読書をつづけて、20時。
◯
〔Ngon Garden〕というレストランで、三人ひさびさの再会。
ンで始まる店名とは……と思っていると、Yさんが解説をしてくれた。
「このNgonという言葉はね、美味しいというベトナム語で、つまり『美味しい庭』という意味で……」
少しお高めのお店。
わたしが、
「鳥の丸焼きの、ガヌーオンて料理が食べたい!」
と要望を出した結果、選んでくれたのだ。
まずは飲み物だけど、中国茶には干し杏や棗などのお茶うけがついてきた。
わたしは『チェー』という、飲み物というよりは、飲むスイーツ的な何か。
これもベトナム名物らしい。
甘く煮た豆類や果実がてんこもりに入っていて、長細いスプーンで食べながら飲むスタイル。棗(なつめ)も入っているところが、アジア文化らしさを醸してる。
生春巻き(ゴイ・クオン)には、何かの食用花がはさんであって、ナッツ入りの甘味のあるソースで。
美味しい。
ところが問題が……うちらは3人、でも生春巻きは4つ。
「残った1つは、取り箸で三つに均等分割して……」
「何言ってんの、一番食べる人が」
「はっはっは、うちら何年の付き合いだと思ってんだか。のどかさんの胃袋を知らないとでも?」
自動的に、わたしが食べてよいことになってくれた。
ブンリュウは、フォーによく似た料理。
酸味あるスープに、つるんとした米粉麺の「ブン」が入っていて、カニ肉、豆腐、トマト、豚肉などを具にしている。
揚げパンも入っていた。
いよいよ登場のチキン丸焼き「ガーヌオン」は、てっきりまるごと出てくれるかなと思ってたけど、上品に切り分けた状態で登場。
そこ、ちょっぴり残念だけど、外国人がよく利用するレストランだし、そりゃそうだよね。
現地名は忘れたけど、チャーハンっぽい何かは、期待通りに長粒種のお米で、パラパラの仕上がり。 付け合わせの漬物が、ほのかな甘味と酸味で口を爽やかにしてくれる。
これも現地名を忘れたけど、揚げ春巻きみたいなのも、酸味のあるタレで美味しくいただく……また4つ!
「ああ、残りはのどかさんの分なので」
「何を遠慮してんだか。盛岡のわんこそばの記録は、ずっと記憶に残ってるので」
友情に恵まれている気がする。
◯
3人、いくらでもしゃべっていられる。
ところが、ひとつ問題があった。
ベトナムへ行く数日前、わたしはカラオケで喉をやっちまってたのだ。
無理な声を出したせいで、声帯が傷ついていて、時おり咳き込んでいたけれど、そんなダメージを無視して、テンション高くしゃべりつづけた。
そのせいで、昨夜まではまだ大丈夫だったのだけど……。
ホテルへ戻って、就寝したところで、一晩中ずっと咳きこむ羽目になった。
何より、その隣のK美さんが、うるさくてもう眠っていられず、寝不足になってしまった。
明日は、ダナン。
東京と神戸くらいに離れている場所へ、日帰り超弾丸強行軍の強引なスケジュールなのだ。
大丈夫か?
つづく