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超短編小説

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#超短編小説

ズレてる

よく晴れた日の公園。 幼い子供連れの母親たちが徐々に増え出した頃。 作業服を着た40代の男…

諦めんな!!|超短編小説|ショートショート

「諦めんな!!」 江口がゲキを飛ばしたのとほぼ同時に、試合終了のホイッスルは鳴り響いた。…

「賑やかな街やね」|超短編小説

田舎を離れこの街に出てきて3年が経った。 ほとんど信号もないようなところで育った僕も、3年…

お母さんとポケット|超短編小説

「うん、うん、そうか。そらあんた嫌やったなあ」 ボクは小学校であったイヤやったことをその…

細見茂65歳、勤続47年にして初めての遅刻|超短編小説

「頭あげてください」 若干30歳にして、従業員70人を越えたこの工場をまとめ上げるサトシ坊ち…

今日からお父さんが一人称を「ワシ」に変えた|超短編小説

今日からお父さんが一人称を「ワシ」に変えた。 いきなり変えた。 会社から帰って来たら変え…

フリスク1個ずつ出せるん知らんの?|超短編小説

「1個もうてええ?」 「ええよ」 俺は自分の持っていたフリスクの蓋を外して彼女に差し出した。 彼女は一瞬目を丸くさせた後、笑いながら「いや珍し過ぎるやろ」と言った。 俺が「何が?」という顔をしているのを見て彼女は「え?ほんまのやつ?」と訊いて来た。 だから俺は「何が?」と実際言ってみた。 「いや、フリスク1個ずつ出せるん知らんの?」 「1個ずつ…」 「え?スライドできるんは知ってる?」 「スライド…」 「めず!多分知らんの世界でアンタだけやで」 「…」

驚かんと聞いてくれ、俺お前の未来やねん|超短編小説

自分と瓜二つのやつが前から走ってきた。 今日は仕事が休みやから昼に起きて近所の公園のベン…