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百万文字の命 #13 【ペアnote/絵本】

ミーナと出会ったその日から、
カブールは毎日ミーナのお店に行きました。

カブールは毎朝、街の外れの丘に登って、
一番素敵な花を一本摘んでは、
その花を、ミーナに届けました。

ミーナは、カブールが毎日届けてくれる花が
どれも見たことのない花だったので、
ひとつひとつを丁寧に押し花にして、
その花にぴったりのことばを添えて、店先に飾りました。

ミーナのお店には、
新しい花と、ことばを、楽しみにするお客さんが増えて、
沢山のお客さんで瞬く間にいっぱいになりました。

ある日、カブールは、いつもの丘の
隅っこに咲く、一輪のピンクの花を見つけました。

その花の色と、
その花の可憐さが、
ミーナにぴったりで、それを見つけられたことが、とても嬉しくて、

嬉しくて、

つい、「やったーっ!」と、その場で思いきり叫びました。

カブールにとって、自分の喜びの感情が
ことばになって口から出ることは、初めての経験で、
少し恥ずかしくて、でもそれ以上に嬉しくて、
ミーナに会いたくて、

会いたくて、

ミーナのお店のほうへ走り出しました。

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