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百万文字の命 #11 【ペアnote/絵本】

ミーナと話をしているうちに、カブールはミーナのことをもっと知りたいと思いはじめました。

「僕、きみの歌がとても好きみたいだ。」

カブールの素直な言葉に、ミーナも素直に喜びました。

「大人たちは、歌うことは、命の無駄づかいだから、やめなさいって言うの。でも、私、もっと歌いたい。私が歌うと、みんなが笑顔になるから。」と、ミーナは言いました。

自分の思いをそのまま届けるように話をするミーナのことを、カブールはとても新鮮に感じていました。

「ミーナ、君みたいな人は初めてだ。自分の思いを口にすることは、とても素敵なことなんだね。」

ミーナの素直さにつられるようにして、発したその自分自身の言葉を、カブールは噛みしめていました。

カブールもミーナも、まるで、初めて本当の会話をしたような気持ちでいっぱいでした。

「人の音が消えた街」と呼ばれるロズワルドの街角には、二人の明るい笑い声が響いていました。

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