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アルドールの終焉
あと3年もすればアルドールに世界中からゲストがやってくるよ。だから早めに行ったほうがいい。僕は会う人会う人にそんなことを言っていた。
たくさんの食通からアルドール良かったよ、アルドール最高、そんな声をたくさん聞いた。そして口を揃えて皆こう言う。
「わざわざ行く価値がある」と。
アルドールの閉店を知ったのは先日のことだった。もちろん驚いたが、もったいないなぁというのが率直な感想だ。
経営者とピッツァイオーロの2つの顔を持つ仲村さんが悩んで決めたことだから、腹をくくったのだろう。サバサバとした声から次を見据えての決断が感じとれた。益々目が離せない。
僕が何かをするとき、最優先するのが「身の丈」です。例えば近年、関西から東京へ進出する飲食店が増えています。僕にもお声がけくださる方々がおられまして、サカエヤとしてセジールとして、東京でやりませんかと。良い条件でお話しいただくこともありますが、僕の身の丈では滋賀1店舗が精一杯です。お金の問題、人の問題は商売やっている限り永遠に続きます。そんなことを考えると東京進出は僕の身の丈以上の仕事になります。
もしかしたら、アルドールの仲村さんも身の丈以上のことをしていないか、なんてことを考えたんじゃないかな、いや、そんなことはないか。ま、どちらにしても経営者の悩みはお金と人と健康ですからね。あとは、決断とタイミング。僕は心配性で気も弱いので毎日なにかしら悩んでます。精神的にしんどいときもありますが、経営者ってみんな臆病なんです。だから用心深いんだと思います。
昨年、メゼババ&アルドール&サカエヤでコラボ会をやったのですが、僕と仲村さんは食事にありつけず眺めていただけ。みなさんがおいしいそうで食べている姿を見て、あぁぁ、いいなぁーの図
さて、仲村さんに構想をお聞きして、次の展開がすごく楽しみになりました。遅かれ早かれの決断であり、仲村さんにとってもメンバーにとっても必要なことであり、それがコロナで少し早まったということなんでしょうね。
アルドールは7月31日で閉店となります。幻の名店として語り継がれていくことでしょう。
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