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インターネットで肉を売る

インターネットで肉を売りはじめて20年以上経ちますが、そもそも、なんのためにはじめたのか。といいますと、肉を売るためです。店が売れてればインターネットどころか、今頃、SNSもやってなかったと思います。

若い頃サッカーを少しだけやってまして、小学生のときにクラブチームに入り、その時のコーチから言われたことがいまだに僕の指針となっています。コーチからサッカーでいちばん重要なことはなにか?って聞かれたとき、パスとかチームプレーとか、みんないろんな答えを言うわけです。僕が小学校6年生のときですから、コーチは20代だったと思います。コーチが言ったのは、みんなの答えも大事なことだが、サッカーでいちばん重要なことは点をとること。

あ、そっか、そうだよな。ええカッコしてパスとか言ったけど、いくら内容がよかっても点とらないと勝てないしなぁ。

商売でいうと売り上げになりますが、問題は売り上げの中身、内容だと思うのです。どんなゴールでも一点は一点、勝てばいいという考え方ではなく、ゴールにつなげるまでの内容が重要だと思うのです。

売るためにはサイトを広く知ってもらう必要があります。そのためには広告とかSEOとかある程度の投資が必要です。型番商品なら最安値のところが優位なのでまさに価格競争を勝ち抜かなければいけません。

うちは、さすがに売れてなかったので身の丈の投資しかできませんでしたが、それくらいの投資では売れなかった。価格であったり、割引であったり、ショッピングモールなら広告買うか、検索上位や良いクチコミがないと売れないわけです。技術がないから外部なら方にお願いするわけです。それがビックリするほど高いのです。

僕は自分の商品に自信があったので過度な投資はやらなかったのですが、サイトが知られていないこともあり、そりゃ売れるはずがないです。少しずつ認知されてくると、今度は買い物しずらいとか、いわゆる回遊率が悪くカゴ落ちばかり。となるとシステムを変える必要がでてくる。また投資だ。

そんなこんなで20年が経過したわけですが、いま思うことは、僕が扱っている肉は広く売れなくても良いと思っています。広く売るほど供給ができないということもありますが、味覚とか感覚とかセンスとか、同じ色に属している方々に買っていただければ良いかなと。サシの多いとろけるような肉が好きな方が、僕の肉を食べても感動しないと思いますし、僕の取引先に雲丹と肉を合わせる料理人はいないですしね。

不特定多数の方に買ってもらうことは僕にはストレスなので、贅沢な話ですが、会員制がいいのかなと思ったりしています。わくわく定期便はそれに近いですが、平和で穏やかな商いができないと、良い仕事なんかできないし、おいしい肉をお届けするという本来の使命すら達成できないですしね。

それはそうと、来週から3日ほどですがテレビの密着があります。昨年の5月にプロフェッショナル仕事の流儀に出させていただき、その後、よーいドン!、遠くへ行きたい、そして今回、スタジオでトークもあるらしく、どうしようかと悩みましたが、ださせていただくことになりました。放送日が分かりましたらお知らせさせていただきます。

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新保吉伸/Niiho Yoshinobu
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