5年ぶりのALL THAT GIBEEF
2015年11月12日、ロテスリーレカンにて「ジビーフ“やいこ“と愛農ポーク」の食事会が開催された。たくさんのイベントを行ってきましたが後にも先にもハラハラしたのはこの時だけだった。詳しくはこちらをご覧ください。
5年間で、僕もジビーフの手当てに慣れてきたこともあり、さすがにあの頃のようなこちはばいにしろ、今回は内臓もあり、処理後の保存にかなり気を使いました。
さて、10月13日の夜と14日の昼夜の3回で開催された“ALL THAT GIBEEF”は、アペからメインまですべてジビーフで構成され、カウンターの向こう側で涼しげな顔で調理する高良シェフの姿に酔いしれたのでした。一皿ごとにカウンターからでてきては説明をし、その間は若いスタッフたちが仕上げを行うわけですが、このあたりのチームプレに高良シェフのエスプリを感じたのでした。
今回はコロナの影響でたくさんの方にご案内することができず、ジビーフにご縁のある方々をご招待させていただいた次第です。コロナ終息の際にはふたたび開催できればと思います。そのときには今回お誘いできなかったみなさまをぜひご案内させていただきますのでどうぞよろしくお願いいたします。
メインの3種ですが、左からジビーフ「了平」40日熟成、ジビーフ「さやか」20日熟成、同じく「さやか」20日熟成で仕上げかたを少し変えています。
頬肉のコンポートとグリビッシュソース
3日目の夜は頬肉ではなくタンに変更
モロヘイヤのコンソメスープと小腸のソテ
みなさん驚かれたのが小腸に脂がないことです。普段そこかしこで目にする小腸は脂がたっぷりついていて、その脂をおいしさの判断基準とされている方も多いとおもいます。しかしジビーフの小腸は脂がほとんどなく、おそらく穀物を食べていないのと林間放牧で動き回っているからだと思います。ホルモン白物のセオリーどおり、8割噛んで2割飲み込むという行為に一人納得していたのでした。
パプリカの香るクスクスと首のサラダタブレ
クスクスを積極的に食べることはないので、いままで数えるほどの経験しかありませんが、それでも自分史上1番じゃないかな。
モワルのクロケットとエスカルゴのコンビネーション
ジビーフの大腿骨をお皿にして、赤ワインソースかかけて食べます。焼いた骨髄料理は食べたことがありますが、こういう形は初めてです。発想にもなかったので驚きました。しかし、骨ってテンションあがりますね。
ジビーフテールのプリン、フレッシュハーブの芳香
メニューを見たとき、僕がプリン好きなのでアイデアだしてくれたのかと思いましたが、さすがにそれはなく、ラビオリでした。ハーブの使い方は難しいと思うのですが、ジビーフがいる様似の牧草地を思い出すような香りにトリップした気分になったのでした。しかし、高良シェフの料理は古典的なものから流行のものまでつねに進化し続けていることを改めて感じさせていただきました。2日目のお昼に参加していたブリアンツァの奥野シェフから、高良シェフの料理がすばらしのは当たり前として、料理人としての姿勢に背筋が伸びる思いです。と興奮気味に連絡いただきました。
センマイのブレゼ、マスタード風味
いやぁー驚きました。センマイがこんなに上品になるなんて。皮を剥いて白くすれば臭みは軽減されますが、この状態で臭みもなく、しかもおいしい。センマイを好んで食べるほうではないのですが、言葉のボキャブラリーが少ないので表現のしようがないのですが、」ただただおいしかったです。
料理がでてくるまでの間、奈緒子さんのお話。何年振りかの東京なので道に迷ったらしく、2日目は一番乗りでした。そしていよいよメインに入ります。
その前に、都合3回、さすがに同じものを食べ続けることができないので、2日目のお昼は特別にオムライスを作っていただきました。これがうまいのなんのって、ソースが秀逸です。オムライス好きにはたまりません。
フィレ肉のポワレと香茸のリゾット、ボルトソース
ジビーフのフィレは和牛のようにとろける柔らかさではなく、繊維を確認しながら柔らかさも堪能できる感じなのです。ちょうど発売中の食楽に掲載されていますので、ぜひご一読ください。
名残惜しく最後の一皿となりました。「了平」と「さやか」の熟成サーロイン食べ比べです。あきらかに違いがわかるような手当てをしましたが、それを引き出すのはシェフ次第。香りで違いが判断できる火入れは簡単ではないのですが、ここまで明確にしかも食感も楽しませていただきました。
デザートの後、思いがけずバースデーを祝っていただきました。高良シェフ、ラフィナージュのみなさま、ご参加皆様、ありがとうございました。