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集落の維持のために

※この投稿は、1年に一度周防大島町の佐連自治会で発行している自治会誌「山王」に寄稿した原稿です。集落出身の方をはじめ、関係者の皆様に読んでいただくものです。

佐連「山王誌」

大雨や台風の後には、自治会で集落内の見回りをしています。人が減っていく中で年々維持が難しくなる集落ですが、なんとかできる限りのメンテナンスをしていきたいと思っています。

流れるべきところに水が流れているか、水の道が変わっていないか、水が濁るといった土砂災害の兆候はないか...

先輩方に教わった自分たちの住まい環境を守るために必要な「目と感覚」を養い育てつつ、折れた枝や崩れた箇所、詰まった水路の応急処置をします。

時代の流れとともに仕方ないことではあるのですが、薪を使う人が減り、畑も耕作放棄地になり、水路周辺のメンテナンスをする人も減りました。荒廃し、落ち葉などで水路が塞がってしまうと山からの水の道が変わってしまい、土砂災害などにつながりかねません。

実際、2020年には大雨により近隣の集落で土砂災害がありました。

一方で、里山は宝の山でもあります。もう一度里山由来の「薪エネルギー」を活用しつつ、畑でもしっかり経済活動が成り立つようにできないか、試行錯誤の日々です。

草木は日夜休まず成長します。水路や農地、道路などの維持も年々難しくなってきています。

そんな中ではありますが、自治会にて、行政のサポートもいただきつつ 「集落の維持のためになんとか現状を把握し、新たな担い手に引き継いで安全な集落での暮らしを維持していきたい。集中的に管理する場所、粗々の管理をする場所、諦めて選択と集中をする場所を考えていきたい...」ということで、集落内の土地の現状を全て2年前から調査し、「見える化」してきました。

地権者の皆様のご理解と温かい支援に加え、周防大島町の農林水産課のご担当の方々が熱心にサポートしてくださることもあり、現在、1町(1ha=10,000㎡)以上が再活用され周辺の水路や道路もメンテナンスがしやすくなっております。

また、集落の山手を走っている農道は『承兼農道』といって①農家の通り道、②水路(土砂災害の防止)、③県道が通行止めになったときの避難道の役割などがあります。

きちんと後世につないでいき、道路ができる前にあった度々の土砂災害を防ぐことで、課題は多くとも、今あるもの、今いるメンバーでも何とか力を合わせていけば、明るい未来になるだろうし、人口減少社会でも安心・安全、豊かに暮らしを維持していくことができることを確信しています。

集落の維持のため農地を貸してもよい、手放したいという方がもしいらっしゃいましたら、ぜひ自治会までご連絡くださいませ。

また、農道や水路の維持管理は受益者負担ということで町の助成がないこともあり、集落の安全と安心に関わることなので自分たちで何とかする他ありません。

ですが維持管理するための重機のリース代や燃料代など、経費がたくさんかかります。ぜひ土地の維持管理のために自治会へのご寄付も検討いただけないでしょうか。

そして、何より必要なのは人手です。河川清掃(例年梅雨前の5月下旬〜6月上旬)、海岸清掃(例年7月)などの機会にはぜひ助っ人として草刈り、溝掃除などサポートいただけますと助かります。お願いばかりで恐縮ですが、豊かな佐連の暮らし、自然、文化を維持するために、何卒ご協力いただけますと幸いです。

課題ばかりのように見えますが、佐連での暮らしはとても豊かで楽しいものです。周防大島町内での仕事の選択肢もいろいろございます。お子さんやお孫さんの世代は、意外と田舎暮らしに興味関心がある人も増えております。ぜひ周防大島での島暮らし、佐連での暮らしのことをお伝えいただくと良いご縁につながるかもしれません!お待ちしております。

※7月21日に大阪で行われる移住フェアに周防大島も出展します。ぜひ話をしにいらしてくださいね。


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