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役場の公務員を住民がめちゃくちゃ大好きになる方法

自治体の職員の仕事というのは、住民に理解されにくい業務がほとんどです。裏方の仕事が多いため、頑張っている姿が一般の人には分かりにくいところがあります。

褒めてくれたり、感謝されたりする仕事はほんの一握りしかなく、多くの業務が「やって当たり前」と思われてしまうために、なかなか住民から評価されにくい立場の仕事だったりします。

今まで多くの自治体の職員の仕事を取材してきましたが、いつも思うことは「こんなに大変な仕事を毎日しているんだ」という思いでした。企業を誘致するために挨拶回りをしたり、治安をよくするために自治会の役員と交渉したり、どれも表面化されにくい、地味な仕事ばかりです。

私たち住民も「税金を払っているんだから」という思いが強いせいか、役場の職員に対してお礼をいったり、感謝の意を伝えたりすることはほとんどありません。そのような背景もあって、少しでも行政に不満や不備があったりすると「役場はなにをやっているんだ!」と、目くじらを立てて怒る人も、実は少なくはなかったりします。

私が住む栄町の職員は、非常に少ない人数と予算で、頑張って仕事をしています。少予算で町を盛り上げるイベントも積極的に行っていますし、特にこれといった産業のない町で、外部に向けたPR活動も必死になって頑張っています。

以前、町内の防災について役場の職員に相談することがあったのですが、私が制作した企画書にしっかり目を通してくれて、親身になっていろいろな相談に乗ってくれました。また、自分が想像している以上に、町の防災は細かくシミュレーションが組まれていることも知って、町の防災に関しては非常に頑張っている印象を受けました。

しかし、この「頑張っている」という姿勢は、町内の人にはなかなか理解されていないのが現状です。裏方の仕事なので致し方ないのですが、それでも、「こんなに一生懸命、町民のために頑張っているのに、もったいない」というのが、私が栄町の職員に対して思った率直な感想でもあります。

従来、公務員というのは「表に出ない」というのが常識でした。しかし、これからは、もっともっとホームページやSNSを活用して、「こんな仕事を頑張っています!」「今、こんな仕事に力を入れています」というのを、積極的にアピールしていくべきだと思います。

個人でネット上に顔をさらすことは恥ずかしいことかもしれませんが、住民に名前と顔を覚えてもらい、どんな仕事をしているのか理解してもらえる活動をすれば、より住民と職員の絆は深まっていくのではないかと思います。

たとえば、土木課が道路を修繕している動画をSNSで配信したり、学校の先生が新しい授業に取り組んでいることをブログで公開したり、頑張っている姿を多くの人にアピールすることは、お互いの理解と信頼を生み、感謝の気持ちを強く持ってもらうきっかけにもなります。

日本人は「陰で努力する」ということを美徳として捉える人が多いです。しかし、SNSや動画が普及した今の時代は、努力をオープンにして、より多くの人に理解してもらうことが、コミュニケーションを深めて、信頼と応援する気持ちを生み出すきっかけになります。

分かりにくい公務員の仕事だからこそ、分かりやすく住民に伝えることが、栄町に対する「愛」を生むきっかけになるのではないでしょうか。

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