「私の少女」 도희야
2022年7月某日
「私の少女」
監督:チョン・ジュリ
2014年 韓国
先日ベイビー・ブローカーを観て、
あれではペドゥナを堪能し足りなかったので
なにか観てみようと思い、特にあらすじも読まずにアマプラで。
こ…これは…
希望通り、これでもかとペドゥナを大充電できたのだけど、
「少女」ドヒ役のキムセロンもすごい😨
私「アジョシ」観てないのですがあれの少女役の子だそうです。
そして、監督が長編映画監督デビュー作だという!
嘘みたい🤯 すごかった。
初監督作品がカンヌ出品は快挙だとの事。
(ある視点部門に出品だそう)
知らなかった…
私2014なんてラブコメ韓国ドラマばっかり観てたw
誰も知らない様な、
法も届かなそうな独自秩序の田舎街。
それぞれに社会から疎外された様な名も無き人々、
孤独、酒、ジェンダーや人種の差別と搾取
弱者が弱者を虐げ、
一番の弱者である子供の内部の宇宙を覗くような…
気を張って生きるヨンナム(ペドゥナ)とドヒ(キムセロン)
が、つぶらな瞳で笑顔を見せる刹那の可愛らしさが印象的。
この女性たちの、
か細い四肢の艶かしさが
この世の生きにくさを浮かび上がらせる。
少女の保護者である筈の存在が「悪」を体現してるのだけど、
その彼らの背景と、文化や価値観の進化に取り残された街の閉鎖的な雰囲気は、
ここ日本でも、世界のどこにでも存在するんだろう。
美容室のシーンは映画「ガザの美容室」にも重なった。
(こちらの方が先ですね)
ダンサー・イン・ザ・ダークを観たのは遠い記憶で、
詳しく覚えてないけど、
あんなラストは辛いなと思って観ていた。
(どうなるかは書きませんね)
俳優達は遺憾なく才能を発揮している。
ペ・ドゥナは先日観た現在の彼女より当たり前だけど若くて、
空気人形の頃の面影がある。クリッとした瞳と低い落ち着いた声。
男達も流石だ。ドヒの父を演じるソンセビョクはあれだけやってもサイコパス味が無く、
むしろ人間味を感じてしまう不思議。
あの男の背景の様なものをきちんと背負っているからか。
(そしてハルモニの迫力‼︎)
終盤、若い刑事役コンミョンのコンサバな雰囲気と、
彼の言ったセリフとがピッタリし過ぎで、
ペドゥナを動かすのに十分な理由になっている。
自国の暗部をフィクションで世界に公開する心意気こそが韓国作品の真髄か。
ひたすらに力強い映画でした。
世界は広く、深く、繊細で強いなぁ。
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日本語タイトルより、
やっぱ「ドヒや」が情が感じられていいけど、
それは仕方ないね。
✳︎
今日は大きなニュースがあり
テレビが苦しいのでまた映画を観ました。
これからどんな混沌がやってくるのか…
あらゆる角度から扇動が起きるだろう。
乗らない。
おちつこう。
911テロの後のアメリカみたいなうねりが起きません様に。
暴力の応酬はなにも生まない。
言葉の暴力も。