「スウィング・キッズ」

2022年10月某日鑑賞

「スウィング・キッズ」
監督：カン・ヒョンチョル
2018 韓国🇰🇷

主人公のロ・ギス(北朝鮮兵士)は1932年生まれ、
前回投稿した台湾の実在の人物 #蔡焜霖 は1930年生まれ。
同世代だ…。

この映画、世界中の人に伝わると思う…
言葉が分からなくても、字幕が無くても。
実際、登場人物達も言語の壁を超えて通じ合っているし、
言語が通じる人々でも通じ合わない悲劇が映し出されてる。

前半の口あいちゃう様な、あっけらかんと振り切った演出、
(若干のチープさも感じてしまうけど…そこは忘れよう！)
音楽で全てを解決出来ちゃいそうなパラダイス感、

そして後半の、同じ映画とは思えない戦争の闇、
韓国映画の魔法でさえ届かない泥沼の現実、

そんな前半にも何度も胸が疼くのは、
それぞれの抱える切なさのせいだけじゃなくて、
ただただ「音楽」そのものがもつ高揚感、
それに感情を持ってかれる、そういうところが何度もあった。
なんというか、
そんなつもりはなかったカラオケで、
不意に歌いながら泣きそうになる時みたいな
込み上げるやつ(←通じるかしらw)

そして最後はもう、

…あー無理(TT)

この時代の台湾でもこの映画の韓国でも、
「アカ」という言葉が飛び交う。
誰でも彼でも「アカ」にされ不当に標的にされ、
逆からはアメリカを代表する資本主義を敵と断じ、対立する

日々の生活や個々の命から遠くぶっ飛んだ、
戦争が生んだ市井の人々、同じ民族内の分断、
頭上を飛び交うイデオロギーの闘争、
国を超えて、地球上どこでも、繰り返し繰り返し、
いつまでも同じことを続ける人類…

資本主義も共産主義もどっちも！
クソイデオロギーめ！
みたいな(うろ覚え)台詞が出てきます。

同じ様なセリフ、
中東の紛争地帯を描いた映画 #国境の夜想曲 でも聞いた覚えがあります。
劇中劇で老婆が言っていた。
大義がどうこうの前に人間らしく生きさせろ！
ですかね…😢

大国の冷戦の中の、朝鮮半島、
白人の中の黒人、
戦争の中の女性、

無実の罪で北朝鮮捕虜になった韓国の民間人、
ダンスが天才で身体の弱い中国人捕虜、
憎むべきアメリカのダンスに取り憑かれて葛藤する、
北朝鮮を祖国とする"男らしい“主人公。

そこには理不尽しかない。
ここにも理不尽しかないと言うべきか。

黒人のタップダンサー役の #ジャレッドグライムス
小柄な身体、尖った顎、優しい眼差し、
#サミーデイビスjr を彷彿とした。
目の優しさが七尾旅人も思わせた。

主演 #ドギョンス 、さすが #exo の#ディオ ！
歌の上手さと演技の上手さのディオと思っていたけど、
身体能力も流石でした。そりゃ踊って来た量が違う。

そして彼のじっと動かない黒い瞳。
小柄な彼が、ソロ曲でひとりでドーム級のステージに立つ時も、
すっかり落ち着いて見えるあの不思議に大きな存在感を思い出しました(何度もコンサート行ってる人ですw)
(アイドル写真載せちゃってすみません🫠)
でも贔屓目でなくても良い俳優さんだと思います。

今にもウエストサイドストーリー始まりそうな白人の彼も可愛かったです。

#パクヘス 演じる愛おしい少女は、
朝鮮語と英語、
満州にいたからと「中国語」も日本語も話せる女の子、
繰り返すけど #台湾の少年 の多言語な世界と重なる。
あの中での蔡少年が見た収容所の中のタップダンスも、
きっと胸を打つ瞬間だっただろう。

戦争の残酷さを、
音楽が救える訳じゃない。

でも、そこに輝く様に生きた一瞬の人生があったと、

こうやって今になっても、
こんな凄いエンタメで映画作るの価値ありすぎ、と思う。

我が国が現代に作る、
この時代を描く映画については、
もはや言及すまい…😔

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#FreeasaBird#TheBeatles
#unext

大泉洋さん、出てましたよね？(違うw)

#オジョンセ さんです☺︎