地元に帰省したら、自分の現在地がわかった気がした話
北海道釧路市に一週間ほど帰省した。去年の今頃はコロナウィルスが流行りだした時期で何も情報が明確ではなく、関東圏に住んでいる僕が90歳のおばあちゃんが住んでいる実家に帰るのを自粛せざるを得なかった。
遠征では釧路に来ていたが、基本チームはコンビニ以外の不要不急の外出は禁止のため家族には会えなかった。約2年ぶりにプライベートで実家に帰れた。
「みんな老けたなー」
家族に会ってすぐ思った。2年前までは杖をついてなんとか自力で歩いていたばあちゃんも車椅子で移動しているし、母親も白髪が増えた。トイレや脱衣所も車椅子に対応出来るようにリフォームしてあった。
それもそのはずだ。僕の母親は今年で64歳、ばあちゃんは92歳、そして僕自身もあと少しで34歳になるのだから。
月日が流れるのは本当に早い。僕が小学生の頃の担任の先生が35歳だった。めちゃくちゃ大人に感じていたが僕も小学生から見たらただの中年オヤジなのか。気持ちはあの時と何ら変わりはない。あの時、大好きだったアイスホッケーにまだ夢中になっている。
そういえば、僕は帰省して釧路に出来たばかりのスタバに毎朝オープンと同時に勉強したり文章を書いたりする為に通っていたのだが、小学生の頃のアイスホッケー部の監督にたまたまあった。
兄の担任をしていたこともあって家族でお世話になった。一緒にキャンプに行ったり、先生の家に遊びに行ってゲームをしたり、僕がプロになっても釧路の試合は毎試合観に来てくれた。
そんな先生と一時間くらい雑談していると小学生の頃を思い出してしまう。どうしてアイスホッケーをしているのか、なんの為にアイスホッケーをしているのか、改めて初心に戻って考えさせられる。
“アイスホッケーが好きだから”
この気持ちだけでいいと思う。この気持ちだけでまだまだ頑張ろうと思う。
それにしても実家に住んでいると鈍ってしまう。ご飯は勝手に出てくるし、掃除もしなくていい、洗濯もしてくれる。食器などは自分で洗っていたけど、家事全般やってくれる。久しぶりに僕が帰ってきたというのもあるけど、楽だ。
僕は高校生までこんな楽な生活をさせてもらっていたんだ。社会人になって一人暮らしをして思うけど、飯作って、食器洗って、トイレ掃除、部屋全般掃除、家賃払って、ガス水道電気代払って、あげたらキリが無いけど大変。
改めて、母親ってすごいって思うよね。高校生まで当たり前だと思っていたことは、当たり前ではない。好きなアイスホッケーだけやって、食べたいもの食べさせてくれて、文句言って反抗して、好き勝手やらせてくれた。
直接言うのは照れ臭いけどいつも思ってる。本当は思うだけじゃなく口にする方が喜ぶと分かっているけど、やっぱり言えない。本当に母親は偉大だ。
話は変わるが、人口16万人くらいの地方都市だと、スタバもそうだけど、蕎麦屋で昼メシを食べていたり、街中を散歩しているだけで知り合いに会う。10年も会ってなかった同級生や先生、先輩、もうびっくりするくらい誰かしら偶然会う。
しかも、10年の月日を感じさせないくらいフレンドリーに接してくるから、こっちがちょっとおってなるくらい。
僕は外食するときは、ほとんどと言っていいほど知り合いのお店に行く。それは、安心するのもあるけど、このコロナ禍で少しでも知り合いのお店にお金を落としたいと思っている。そしたら、頼んでもいない酒のあてが次々出てくる。
少しでも助けになりたいと思って顔を出してるのに、助けになるどころか、僕の胃袋の足しになってしまった。まいった、まいった。
いやー、本当に地元はいい。過ごしやすい。楽だ。
人口16万人の地方都市でプロのアイスホッケー選手ってだけである意味チヤホヤされる。ましてや、氷都くしろと言われるくらいアイスホッケーが盛んな土地がら、いい意味でもわるい意味でも注目される。
でも、なんかいつもモヤモヤした気持ちだった。
本当にこのままでいいのか。この居心地の良い地元で楽に過ごしてていいのか。自分のやっている事と、自分の気持ちにギャップができていた。
4年前、慣れ親しんだ地元くしろを離れて、韓国のチームに移籍した。
“誰も自分のことを知らない、新しい場所でチャレンジしたい”
そう思った。
僕は、あの時よりも成長している。あの時、釧路を離れなかったら今の僕はいない。
小さい頃からの、プロアイスホッケー選手と会社の社長になる夢。
手が届くところまできている。
今は、個人事業主としてプロアイスホッケー選手と飲食店経営で収入を得ている。今年中には株式会社を設立する。
何事も行動するしかない。ダメで元々で、やるかやらないかだったら、やるしかない。
地元への帰省は年に一回の一週間で十分だ。地元はあの時のままの時がずっと流れている。過去の自分と比べるわけではないけど、自分の現在地がわかる気がした。
だったら年に一回、自分の現在地を知るために帰省しようと思う。もちろん、母親、ばあちゃんの元気な顔を見る二の次だけれども。
あらためて思う。僕は地元が好きだ。
「僕の40歳までの夢」を叶えて、地元くしろに恩返ししたい。
いや、必ず恩返しする。
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【40歳までの夢】
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