PMの基本的な考え方を身に付けたくて、初心者向けの本を読んだ結果。。
はじめに
あなたはPM(プロジェクトマネージャー)を初めて担当することになった時、どんな気持ちでしたでしょうか?
私は、PMを任されることになった時、非常に不安でした。
お前の課題は計画性がないことだ!と上司から言われ続けてきたし、
作業者として、上司や先輩の指示に従うというのが根付いてしまっていた私にとって、
今までやったことのない業務が私を待っていると思ったからです。
この右も左も分からない状態では、何も対策しなければ、当然痛い目に合うと思うので、ひとまず知識を蓄えよう!
と考え、手に取った本の紹介をしたいと思います。
結果から言うと、この本とても分かりやすかったです。
読むことのメリット
まず、この本を読んだことによる、私の中の変化を書きたいと思います。
1. PMとして成功するための考え方を身に付けられる。
これに尽きます。
PMBOKに従ってPMを遂行する上で基本的な、持っておくべき考え方・価値観を身に付けられます。
※PMBOKの資格に関することや単語の意味のような、細かい話はあまり出てきません。
PMBOKの初心者殺しの知識量を、
実際の童話を通して説明してくれるので想像がしやすいのもポイントです。
例えば、3匹の子ブタの話では、
お母さんブタから「家を作りなさい」とだけ指示を受けて、3兄弟の子ブタがそれぞれ家を作ることになります。
2匹の兄ブタ達は、すぐ家を作り始めますが、
末っ子ブタは、家づくりの目的をお母さんブタに聞いたり、計画を立てたりした上で、作り始めます。
兄ブタたちは、早く作ろうとしていたので、藁や木の家を作りましたが、
目的を把握できた末っ子ブタは、レンガの家を期間内に作りました。
結果として、末っ子ブタだけオオカミに食べられずに済みました。
という話です。
この話を聞くだけでも、PMとして大切な基本的な考え方は何かが、何となく分かるのではないでしょうか?
私は分かりやすかったです!
スコープ、スケジュール、品質、資源 など
PMBOK 10の知識分野が、なぜ大切なのか童話を通して理解できます。
このように、PMとして身に付けるべき考え方を、
童話を通して書かれていたり、図解での説明もあるので、
総合的に理解しやすい印象でした。
2. 読書が苦手な人でも読みやすい。
読書が苦手な友人に見せたら、「私でも読めるかも」と言ってました。
童話で分かりやすいのと、文字が大きいから。とのことでした。笑
考えてみると、本の読みやすさは、「可読性」に加えて、「文章量」「理解難易度」も関係してくるのかもしれません。
そう考えると、この本は非常に読みやすいと言えます。
PMとしての基本的な考え方とは
この本を読んで、学べたことを、3点に整理してみました。
1. プロジェクトとは、未知なる仕事である
そもそも、プロジェクトとは何か。
プロジェクトとは、
「独自性」「新規性」「有期性」を持つ仕事のことです。
今までやったことのない仕事であるため、事前に計画を立て、いつまでに、何をやるのかを明確にしておく必要があります。
さらに、
・目的達成するための資源をどうやって調達するか。
・作業中にどのようなリスクが孕んでいるか。
・影響力の高いステークホルダーは誰か。
なども、考える必要がありそうです。
ただ、どんな計画をすればよいのか。
プロジェクトをどうやって進めていけばよいのか。
そこでPMBOKが役立ってきます。
PMBOKとは、
PMI(プロジェクトマネジメントに関する世界最大組織)がまとめたプロジェクトマネジメントの知識体系のことです。
PMBOK 第6版では、プロジェクトでやるべきことを
10個の知識エリア
5つのプロセス
で分類して説明していて、計49のプロセスが定義されています。
(詳細はここでは割愛します)
全てのプロセスを実行するのではなく、現場の状況を見て、必要なプロセスを計画・実行することが大切です。
PMBOKを参考に、
プロジェクトを立上げ、計画し、監視・コントロールしながら実行し、終結してゴールを目指します。
一方で、PMBOKに従ったからといって、
完全な計画を立てること・作業遂行は無理であること。
も認識しておく必要があります。
プロジェクトは、新規性・独自性のある仕事であるため、
予定通りにいかない・想定外の事態が発生する等が起こることがつきものです(のようです)。
このことを認識した上で、プロジェクトマネジメントをすることが大事なのではないでしょうか。
2. 具体的なゴールを設定すること
プロジェクトのゴールは、具体的であればあるほど、良いです。
正確な計画・WBSを作成できる。
チームメンバーがゴール意識を持ちやすくなる。
からです。
具体的とは、
当事者がイメージできることではなく、
数字など客観的に見ても理解できる要素を使うことです。
SMARTの法則や5W1Hを使って、
具体的なゴール設定をしましょう。
例としては、
「カメを追い越す。」という設定ではなく、
「X日までに、A地点において、10メートル以上、カメと差をつける。」
のような設定をします。
何日までにどの地点まで進めば、ゴールを達成できる。と計画できるので、
計画上に余裕が生まれれば、その範囲でウサギは、途中で寝ていても問題ないわけです。
3. チーム構築が重要であること
意外だなと思った点です。
というより、PMBOK 第6版 の49のプロセスでは、あまり触れられてない点だと思います(チーム育成・マネジメントはあるものの)。
PMBOK 第7版で言われている点ではありますね。
チームメンバーとの関係性の構築や、問題発生歓迎の文化を作っておくことが大切なのだそうです。
「1. プロジェクトとは、未知なる仕事である」でも書いたように、プロジェクトは問題発生がつきものです。
問題が発生すると、
担当者が自分の問題として捉え、自分で解決しようと考えがちですが、
問題が膨れ上がり、リスクになる可能性もあります。
PMやチームに問題を報告することで、解消され未然にリスクを防止できる可能性が高くなります。
このように、関係性構築や問題発生歓迎の文化を作ることで、
結果としてリスク発生防止に繋がったり、メンバーのモチベーションアップにもつながります。
また、
「やったことがないから分からない」という状況を共有することは、連帯感が生まれるそうです。
これは、チームメンバーに限らず、お客様との間においても言えることだそうです。
このように、メンバーや関係者との関係性を構築することも、プロジェクト成功の鍵となるようです。
【結論】PMBOKを柔らかく理解できた
初心者の私には、PMBOKの表を見ただけで、理解することに抵抗がありましたが、
この本を読んだことで、
PMBOKへの苦手意識が解消されましたし、
PMとして持つべき考え方や、大事な価値観を理解することができたのではないかと思ってます。
次は、よりPMBOKに近い本なりをインプットして、より深く理解できれば良いなと考えてます。
以上、ここまで読んでいただき、ありがとうございました!