映画「鬼滅」チケット予約戦争で分かったTOHOシネマズの凄さ
正直に言うと、僕は今までTOHOシネマズが苦手でした。
チケット代が他の映画館よりも100円高いし、高い割には映画が始まるまでの宣伝がしつこいし……僕の中では「行く必要が無い場合以外は選択肢に入れない」くらいの立ち位置にある映画館チェーンでした。(ポップコーンだけは他よりもダントツで美味しいけど)
でも、『劇場版「鬼滅の刃」 無限列車編』の熾烈なチケット予約戦について友人と話している時にふと気づいたんです。TOHOシネマズのWebサイトが利用者に対して一番優しかったよな、と。
※映画のネタバレは一切ありません。映画の話は「マンガ760」というポッドキャストで配信しているので、よかったら聞いてください。細かすぎて分かってもらえないエンドクレジットの話とかしています。↓
チケット予約戦争ってキツいんすよ
時を遡って2020年10月12日夜、僕はいくつかの映画館チェーンのサイトを開いて待機していました。いつも行くユナイテッド・シネマ、グランドシネマ、KINEZO(T・ジョイ)、イオンシネマあたりの上映スケジュールページを開き、準備は万端。
シネマイレージカード(TOHOシネマズのメンバーズカード)の有効期限が切れていたこともあり、TOHOシネマズのサイトはブラウザタブの端の方に追いやっていました。(どんだけ苦手なんだよって話ですが)
そして日付が13日に変わった瞬間、『劇場版「鬼滅の刃」』のチケット予約が始まりました。案の定、アクセスが集中してサイトは軒並み「ただいまアクセスできません。時間をおいて再度アクセスください」状態。でも1分後、2分後、5分後と少し時間を追いてページを更新しても、画面は一向に変わりません。『スター・ウォーズ』の新作ですらこんなにヤバいことにはならなかったのに……。
あまり期待せずにTOHOシネマズのページも更新してみると、「アクセス待ち 25814番目です」といったメッセージが表示されていました。(キャプチャーを撮っていなかったので正確な文言は分かりませんが)
寝る準備を終えて予約戦争に臨んでいた僕は「ふざけんなよ……」とTOHOシネマズに対するネガティブな感情を更に募らせます。これは寝不足だから許してほしい。
結局他のサイトが全く機能しないので、2.5万人ほどの順番待ち(約30分ほど)を経てTOHOシネマズでチケットを購入できました。他のサイトで「Ctrl+R」を何回叩いたことか……。精神的にも肉体的にも削られるんですよ、予約戦争って。
"デキる" 映画館、TOHOシネマズ
この紙のためにPCモニターと30分にらめっこ
と、予約戦争当時はぶっちゃけTOHOシネマズの株が1ミリも上がりやしませんでした。映画館チェーンの中でも大きい方だし、サーバーも強いんかな? くらいにしか思っていませんでした。
ただ、予約戦争について友人と話している時に、こんな話になったんです。
「仕事できる人って納期が遅れる時は早めに連絡してきて、納期を再設定するよね」
そもそも何でこの話になったのかは忘れましたが、"デキるビジネスマン" な友人なので、まぁよく出てくる話題ではあります。確かに納期を守ることが一番大事かもしれないけど、どうしても納期に間に合わないことだってあります。その時に無言で納期を破るか、先にごめんなさいするかで印象は大きく変わります。
そしてふと思いました。「TOHOシネマズ、凄くね?」と。
僕がアクセスしたのはTOHOシネマズを含め5つのサイトでしたが、うち4つが「現在アクセスできません(以下略)」と表示するだけ。TOHOシネマズのみが、順番待ちであることを伝えてくれたのです。あれ、TOHOシネマズ氏、"デキる" 側なのでは……?
買えないなら寝たい
予約戦争勝ち抜いたおかげで零巻もらえたのは素直に嬉しい
これまで予約戦争を何度か経験しましたが、映画館のサイトだと「ちょい待ち」の方が一般的なメッセージだと思います。でもアクセスが集中するのは大抵、予約解禁直後。つまり日付が変わった直後です。僕のように「チケットは欲しいけど、無理なら諦めて早く寝たい」と思っている人も多いはず。
そんな人に対して、明確な時間を提示せず「ちょっと時間をおいてもう一回」って、よくよく考えればかなり残酷よ。ちょっとが5分なら待てるけど、1時間なら寝るもん。
もちろん時間を明言することは難しいのでしょう。けど、TOHOシネマズみたいに「〇〇人待ちだよ」と言ってくれれば、待つ側としてはなんとなくの目安もつきます。しかもご丁寧に、2~3分ごとに待ち人数の表示を自動更新してくれるし。
予約戦争が泥沼化する機会なんて、おそらく年に1回あれば良い方だと思います。でもその1回に人生を懸ける映画好きはごまんといます。いるから予約戦争になるわけで。
他サイトのように「ちょい待ち」で済ませても文句は言われないでしょう。でもわざわざこのような仕様にしたのは、TOHOシネマズの誰かが予約戦争のストレスを知っていて、他と一緒ではダメだと思ってくれたからでは……? やだ……この気持ってまさか……?
「+100円」は映画好きのために使われている?
TOHOシネマズ「料金・割引サービス表」より
茶番はさておきに、『劇場版「鬼滅」』の予約戦争を通してTOHOシネマズのイメージが一気に良くなった、というお話でした。「チケットを買う」ことに対するストレスを減らそうとしているんだな、という姿勢の現れっぽく見えますよね。
今までは他の映画館よりも100円(もしくはそれ以上)高い「1900円」というチケット代を忌み嫌っていましたが、その100円のおかげで映画好きにとって優しい環境が構築されるのであれば、喜んで払えるってもんです。
TOHOシネマズが本当にそう考えているかはまた別の話ですが、年1回あるかないかのストレスに気を遣ってくれているのは、いち映画好きとして嬉しい限りです。
ポップコーンも美味しいし。(2回目)
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なんか面白いマンガあったら教えてください。
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