【日本語教師】中級・上級の学生に教えてほしい「アカデミック・ライティング」
こんにちは。日本語教師のさじここです。
大学の授業も前期が終わり、期末試験も無事終了!
成績もつけ終わりました〜😊
夏休みで家で在宅ワーク(italkiやフリーランスのお仕事)の日々です。
さて、大学で教え始めて早1年になるのですが、他の先生と「アカデミック・ライティング」の話になりました。
で、書いてみたのかこのブログ記事↓です。
私は大学で初級、上級レベルを担当しています。
初級レベルでは、そもそも日本語で「書く」ことに慣れてもらいたいので、私は厳しく日本の作文ルールを指導しません(大学の授業では)。
でも、中級以上になるとそうはいかないです。
大学には留学生向けのアカデミック・ライティングの授業があるんですけど、その担当の先生がぼやいていました……
「これさ〜Chat GPT使って書いてきてるよね?」
Chat GPTかはわかりませんが、生成AIや高度な翻訳ツールを使用して、レポートを書いてきただろうというのです。
実際にそのレポートを見せてもらいました。
「あ、うん、ぜったい使ってますね……」
ある程度経験がある教師ならきっと気づくはず。
このチグハグな文構造と文法レベルに…😱
中級レベル対処の授業ですから、そこまで学生の日本語レベルは高くないです。
でも書かれている語彙と言い回しがまるで新聞記事……
担当の先生は頭を抱えていました……
これからこういうことが増えるのだろうなと思います。
上記のブログで書いているように、私の授業では文明の力(Chat GPTやGoogle先生)を使ってもいいから類義語の使い分けをペアで考えるというタスクをやっています。
でも、上級の学生は最終的にChat GPTは使わなくなりました。
代わりに辞書で調べていました。
上級の学生は「Chat GPT」の日本語の精度があまりよくない、まだChat GPTはそれほど日本語に精通しているわけではないから、結局自分達で考えなければ答えに辿り着かないから非効率だとぼやいていました(笑)
上級の学生はまだ自分の日本語レベルのほうが信じられるとのこと(笑)😅
ほぼネイティブ並みの日本語レベルですから、それぐらいの域になると自分で自己訂正できるようになりますし、自然な日本語を選択できるようになっていますから、かえって使わない方がいい文を書けたりします。
中級はどうでしょうか?
中級レベルはまだ発展途上の段階で、「書く」ことは個人差が大きいように感じます。
文法をたくさん知っていても、レポートでうまく使いこなせていない場合もあれば、一つ一つの文ではなく、全体の構成が変……
論理的に話が展開されていない……というものまでさまざまです😥
Chat GPTのようなツールを使用したと思われるレポートは、パッと見はそれっぽい形になっているレポートでしたが、よく読むと言っていることがよくわかりませんでした。
(ちなみに、その先生は学生から話を聞いてレポートを再提出させると言っていましたよ)
全体の構成がチグハグで、接続詞の使い方も間違っている……
「アカデミック・ライティング」の授業で習ったことが全く活かされていない……そんなレポートでしたから……
でも、ふと思ったのです。
Chat GPTをうまく使用するためには「言語知識」は必要だと。
完全に頼ると大変なことになると……
ただ単純に「「私は毎日テニスをします」と英訳してください」ぐらいの短文レベルならきっとAIでも問題ないでしょう。
でも、高度な文章をAIに求めるならきっとこちらもそれなりの知識をもってAIに質問しなければならないです。
AIからの回答を鵜呑みにせず、筋が通った構成になっているのか、文との接続は間違っていないか、データは正しく利用されているのか……
などをこちら側がチェックしないといけません。
そのための知識が必要ですね。
私は、生成AIを使うなと言っているわけではありませんよ。
使うなら情報を鵜呑みにせず、うまく使わないとだめだよねって話です。
そこを「学生に伝えていかねば!」と私はこの一件で思いました。
それと同時に「伝わる文章」ってなんだろう?とも。。
人に伝わる、説得する文章を書くためには、大学の世界じゃなくても「アカデミック・ライティング」の知識は重要だと思います。
大学では学部にもよりますが、レポートを書く機会は多いですし、大学院になるとゼミ発表や修論など専門的なことを伝えていかなければなりません。
就職活動では自分の志望動機やガクチカ(大学で力を入れたこと)なども論理的に書いたほうがいい。
その時に必要なのが「アカデミック・ライティング」です。
正直、私は大学に入ってから「アカデミック・ライティング」を身につけるのでは遅いと思っています。
だって、入学していろんな授業もあるのに悠長に「アカデミック・ライティング」だけを勉強していられませんから。
あっという間に、中間、期末テストになり、レポートや試験に忙殺される。
そして、今の大学生は就活でもめちゃくちゃ忙しい……
単位を落としたら卒業できないわけですから、死活問題になります。
せっかく希望する大学(院)に入学できても、卒業できなかったら元も子もないです😫
なので、ぜひ、日本語学校(進学校)で教えていらっしゃる先生方は「アカデミック・ライティング」を学生にしっかり教えてあげてほしいと思います。
JLPTやEJUの対策も大切だと思いますが😅
「アカデミック・ライティング」はEJUの記述でも役に立ちますよ!
私も改めて自分の「アカデミック・ライティング」の知識を見直したいと思います。
最後までお付き合いいただきありがとうございました♪