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人生を豊かにする方法

こんにちは。
3月に入り、24卒採用は本格的なシーズンインを迎えています。1日のニュースでは特集が組まれ「新卒採用が遂にスタート」というタイトルで、報道でも大きく取り上げられました。

景気の動向を見ればどこも後退を表す内容が多く見られる中で、一方では有効求人倍率が増えており、人手が不足していることを表している状況です。メディアでは新しい年を社会全体が迎え入れる前の準備と、最後の一踏ん張りが囁かれる…そんな年度末をよく表した報道が行われています。

さて、本日のテーマは「意思決定」です。これまで何度かテーマに挙げて書いてきていますが、ここでもう一度これをテーマに書いていきたいと思っています。タイトルは、「人生を豊かにする方法」としました。感のいい方であれば、既にご想像の通り、意思決定が「人生を豊かにしている」というそんな内容であります。

「1日に一人の人間が選択する回数は、およそ35,000回…」と説いたのが、シーナ・アイエンガーによる「選択の科学」という本です。選択は自分を取り巻く「環境」に影響し、環境から受けた選択がどのように働いているのか?も説明された、まさしく選択を科学した著書であります。

1日の中でおこなう日常を支える選択の多くに加え、人生をも大きく左右していく大事な意思決定の一つが、まさしく私は就職活動だと思っています。

話は変わりますが、テイラー・スイフトという世界的なアーティストのことをご存知でしょうか?言わずと知れた世界TOPのアーティストである彼女が、NYU(ニューヨーク大学)のスピーチで2022年5月にこのような演説をおこなっています。

「人生は重たい。特に、一気に抱えようとすると...。成長して次の章に入ると、人生にはキャッチ&リリースが必要になる。すべてを持って、次のステージに飛び込んでいくことはできない。何をキープし、何をリリース(手放す)していくのか?を判断しなければならない。価値のあるものは何なのか?を自分で決めていく。そのことが人生を豊かにしていくから。」という内容です。

シーナ・アイエンガーの言葉を借りるなら、選択肢は必ずしも多いほど良いというものではないと言えるのだと思います。また、テイラーの言葉にも耳を傾けるのだとしたら、「キャッチ&リリース」という表現にもあるように、何かを選択から得る際には、何かを捨てていかなければならないことも同時に覚えておいた方がいい、ということになるのだと思います。

とかく意思決定の多くは、何を得るのか?どのように得るのか?にフォーカスされがちなところがありますが、実はこの2つの内容に共通しているのは引き算です。

選択肢を狭め、何を捨てるのかを意思決定していく。言葉でいうほど簡単なことではありませんが、意思決定にもしHow toなるものがあるのだとしたら、私はこれが一番最適な方法になるのではと、考えています。

先日当社の二次選考をパスし、内定の準備が整った学生とこれと同じ内容で話をし、内定受理後の承諾までのプロセスについて私の考えをお伝えさせていただきました。お話しした内容は、「うちの内定を得る一方で、あなたは何を捨てるのか?」というものです。

まだ、社会人にもなっていない学生にぶつけるのには、少し酷な選択の迫り方であったことは自覚しています。ただし、本当に大事なことを決めるのには、何を捨てるのか?ということになるべく早く向き合った方がよいという信念に基づきおこなったことです。

結果は残念ながら辞退をするというものでありました。よく考え自分で決めたという学生の意思決定に敬意を示し、最後のお別れをしてきました。

この選択が本当によい結果になるのかどうかは、お互いにとってまだ分かりません。今年最後に、あの子をあのまま残しておけば…と後悔をするのは、私の方なのかもしれない。

採用という現場には、常にこのような将来に大きな不安と期待を持った学生たちと向き合う時間が存在しています。また背中をピンと張り、この選択がお互いにとって間違えでは無かったと言える日が来るのが待ち遠しいです。


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