ハイクラス企業特有の面接質問を突破!【Vol.1: はじめに】
よろしくお願いします!
はじめまして。
この度、ハイクラス企業の面接を突破するための具体的なアドバイスをお届けする連載記事をスタートすることにいたしました。
私自身、日本企業2社、マイクロソフト社など外資系企業3社での転職経験があり、面接を受ける側として30回以上、採用する側の責任者として2,000人以上の候補者と面接をしてきました。
この連載記事では、新卒・社会人1年目からベテランまでのみなさんに、希望するハイクラス企業の採用面接を突破してもらいたいと思って始めました。
実際に著者自身が転職活動を行い、キャリアチェンジをし、CxOのポジションまでキャリアを積み、実体験者しか分からないリアルな内容を公開できる範囲で書いていきたいと思っています。
この連載記事「ハイクラス企業面接:合格の秘訣」では、ハイクラス企業特有の「人材を見極める質問作成方法」から、面接で求められる「回答の極意」を皆さんと共有します。採用面接における専門アドバイザーとして、この連載記事を通じて皆さんの採用活動そして転職活動を全力でサポートしたいと考えています。
特長:これまでになかった面接対策情報
1. 面接の基本原則
採用面接の成功の鍵は、企業も応募者も自分自身を理解し、それをお互いに相手に伝えることです。企業分析・自己分析を深め、自社・自己の強み、経験、価値観を明らかにすることです。
・採用する側の企業は、自社にとって「最適な人材とは何か?」の要素を分析し、その人物像を明確にし、その人物像が採用後に最高のパフォーマンスを発揮できる環境を整え、その人物像に合わせた質問と評価ポイントを準備することが重要です。
・応募者は、就職したい企業が求めるポジションや職務内容、そしてその目的を達成する人材像を理解し、それに合わせた回答を準備することが重要です。
2. 一般的な面接対策
よくある一般的な面接対策では、候補者の適性やポテンシャルが重視されてきました。それは、これまでの終身雇用を前提としたもので、これから人工知能の普及が加速する時代を迎える企業においては、ジョブ型雇用に変化し始めています。
ジョブ型雇用にシフトしているハイクラス企業やスピード成長が求められるベンチャー企業では、候補者の適性やポテンシャル、そして職種に応じた具体的なスキルや資格だけでなく、チームワークやリーダーシップ、創造性や問題解決能力を問う質問が、採用面接質問の80%を占めています。
つまり、これまでの面接対策では「採用までたどり着けない」ということです。
では、具体的に見ていきましょう。
3. 具体的な例
上記1、2でお話しした内容の具体的な例を紹介します。
・質問例:
「過去の失敗経験と、それから学んだことを教えてください。」
・SNSや書籍で紹介されている、よくある模範回答例:
「過去にプロジェクトの期限を守れなかったことがあります。しかし、その経験から時間管理の重要性を学び、それ以降は計画をしっかりと立てるようになりました。」
◆なぜ、この回答が面接で不合格につながるのでしょうか?
従来までは、この質問の回答として模範的な回答だったのかもしれませんが、ハイクラス企業等では次の4つをマイナスとして評価します。
3-1. 表面的な内容
この回答は非常に一般的で、多くの応募者が同様の答えをしていると評価されています。
面接官は個々の応募者の特異性や深い洞察を求めていますが、この回答ではそのような深い理解や個人的な成長を感じ取ることができません。
3-2.具体性の欠如
回答には具体的な詳細が不足しています。どのようなプロジェクトだったのか、なぜ期限を守れなかったのか、どのようにして時間管理能力を改善したのかなど、詳細が不明確です。
面接官は具体的な状況や行動、結果を通じて応募者の能力を評価したいと考えています。
3-3.反省の深さが不足
単に「時間管理の重要性を学んだ」と述べるだけでは、その失敗から深い洞察や実質的な学びがあったと感じとることができません。
面接官は、応募者がどのようにしてその経験から学び、成長したのかを知りたいのです。
3-4.行動の変化が不明確
この回答では、失敗を経験した後、具体的にどのような行動の変化があったのかが明確ではありません。
面接官は、応募者が具体的な行動を通じてどのように改善や成長を遂げたのかを理解したいのです。
さらに、チームリーダーやマネージャー、そしてCxOなどの役員レベルにポジションに採用されるには、次のコンピテンシーの視点評価でも採用不可となってしまいます。
3-5.チームワークの欠如
先ほどの回答では、チームとしての経験や、他のメンバーとの協力をどのように行ったかについての言及がありません。チームワークは、特にハイクラス企業で重視されるスキルの一つです。単に個人の時間管理を改善したと述べるだけでは、チーム内での協調性や他者との協力における能力を示すことができません。
3-6.リーダーシップの不足
先ほどの回答では、リーダーシップを発揮した具体的な状況や、チームやプロジェクトに対する影響力の行使についての詳細が欠けています。リーダーシップは困難な状況を乗り越え、チームを成功に導く能力として評価されますが、この回答ではそのような能力の証拠が見られません。
3-7.創造性の不足
同様に、問題に対する創造的なアプローチや革新的な解決策を見つけ出した経験が示されていません。失敗から学ぶ過程で新しいアイデアやアプローチをどのように生み出したかについての言及がないため、応募者の創造性や革新的思考が評価される機会が失われています。
3-8.問題解決能力の不足
具体的な問題解決のプロセスや、その問題にどのように対処したかについての詳細が不足しています。問題解決能力は、困難な状況に直面した際の論理的思考や効果的な対処法を示す重要な要素ですが、この回答ではその能力を示す機会が不足しています。
ハイクラス企業やベンチャー企業の面接官は、これらのスキルを重視するため、これらの要素が欠けている回答は不合格につながる可能性が高いです。面接では、これらのスキルを具体的な経験や行動を通じて示すことが重要です。
4. タイプ別のアプローチ
お気づきのように、「過去の失敗経験と、それから学んだことを教えてください。」という質問ひとつでも、企業が募集している職務やポジションによって「求められる回答が異なる」ということです。
あなたが、面接に合格するために
この「ハイクラス企業面接:合格の秘訣!」連載記事では、これまでにないタイプ別のアプローチで、あなたの面接合格をサポートします。
1.リアルな具体例
「面接の基本原則」をベースに、実際にハイクラス企業の面接を受け、出題された面接質問と合格者した方の回答例を具体的に紹介していきます。
2.キャリア別アプローチ
同じ質問内容でも、候補者に求められる回答が異なります。そのため、この連載記事では、次の4つのキャリア別に模範回答例を紹介していきます。
・レベル1:新卒から社会人1~3年目の方
・レベル2:社会人3年以上で、チームリーダーなどキャリアをお持ちの方
・レベル3:組織のマネージャーなどのキャリアをお持ちの方
・レベル4:複数の組織をマネージメントするキャリアをお持ちの方
※本記事で取り上げた面接質問例に対する実際の模範回答例(レベル2の回答例)は、本文末に掲載していますのでご確認ください。
3.行動面接質問
ハイクラス企業の採用面接で多くを占める「行動面接」の質問を数多く紹介していきます。
※「行動面接質問」とは、候補者の過去の経験に基づいて、行動や思考プロセスを明らかにしていく質問で、採用後のミスマッチも防ぐため、多くのハイクラス企業が取り入れています。
4.シチュエーショナル質問
特定の状況における行動や決断をたずねる質問とその模範回答例
5.キャリア別の「逆質問」
面接の終盤になると、面接官から「ご質問はありますか?」と問われます。候補者が、面接時に企業に対して適切な質問をすることは、その企業で働くことに真剣に取り組んでいる証拠とみなされます。
この連載記事では、キャリア別に最適な「逆質問」も紹介していきます。
まとめ
ハイクラス企業の採用面接を突破するためには、ただの準備では不十分です。この連載記事を通じて、皆さん一人ひとりの特性に合った模範回答を身につけ、理想のキャリアを実現しましょう!
次回以降の記事で、より深い知見と具体的な戦略を共有していきますので、ぜひご期待ください!
最後までお読みいただき本当にありがとうございます!
採用面接をテーマに連載化するにあたり、みなさんにお役にたてれるようモチベーションを高めるためにもお願いがあります。
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本記事で紹介した質問とその模範回答例(レベル2相当)
質問:
「過去の失敗経験と、それから学んだことを教えてください。」
模範回答例:(約70秒)
「私の記憶に残る失敗は、社内DX推進のプロジェクトのチームリーダーを務めた時のことです。納期が迫る中、チームの進捗が遅れていることに気づきました。原因は、私の計画立案の甘さと、チームメンバーへの適切なタスク配分の不足でした。この失敗から、私は計画の重要性と、チームメンバーの能力や負荷を考慮したタスク管理の必要性を深く理解しました。
この経験を踏まえ、私はプロジェクト管理のスキルを向上させるために、時間管理とリソース配分のトレーニングを受けました。また、チームメンバーとのコミュニケーションを強化し、彼らの意見や提案を積極的に取り入れるようになりました。これにより、次のプロジェクトでは納期前に目標を達成し、チームの士気も高まりました。
この失敗は私にとって大きな教訓であり、リーダーシップとチームワークの重要性を教えてくれました。また、創造的な問題解決と効果的なコミュニケーションの価値を再認識させてくれました。今では、どんな困難な状況でも冷静に対処し、チームを成功に導く自信をもっています。」
以上、少しでも皆さまのお役に立てれば幸いです。