vol.0086 昭和世代の「叱り方改革」についてアドバイスをお願いします。(2/2)
前回は、「怒る」と「叱る」は
全くの別ものであり、
「怒る」=「パワハラ」
だから絶対ダメということをお伝えしました。
「怒る」はダメだけど相手の行動を正したいとなると、
必然的に取るべき手段は「叱る」になります。
「怒る」が自分のためなのに対して、
「叱る」は相手のためだと先ほどお伝えしました。
「叱る」の目的は、相手に思うような言動を
取ってもらうことですので、
「叱る」という行動をした後に、
相手が意図する方向に言動の変化が起きなければ
それは上手な「叱る」ではないということです。
上手に「叱る」時に最も大切なことは、
喜怒哀楽の中の「怒」の感情を一切出さずに、
「哀」の感情で伝えるということです。
「叱る」側の心の根底には、
「自分は目の前の相手を最高に素晴らしい人に
育てていきたい。でも、自分の指導がまだ行き届いて
いなくて、残念ながら認められない行動を
取らせてしまった。相手の未来のために、
自分はどんなことをしてあげられるだろうか。」
という想いが必要になります。
ただ、いくら100%本心で、
上のような感情で伝えたとしても、
相手の受信力によっては、
「怒られた」と捉えられてしまうことも
あります。
しかし、根気よく「哀」の感情の「叱る」を
続けていると、やがてそれは、
「怒られた」のではなく「指導」をしてくれた。
と気付いてくれる時がきます。
叱られる側が、
「今、目の前で語気を強めている人は、
100%自分の未来のために、心が苦しくても、
厳しいことを言ってくれているんだ。」
と思ってくれると、
「叱る」という行動を取ってからの、
叱られた側の姿勢が変わります。
この関係を築くことができたならば、
周りにいる人が、
「えっ?そんなに強く言ってもいいの?
パワハラじゃないの?」
と思っても、
二人の間には確かな絆があり、
むしろ愛情と感じてくれます。
何を言うか、何をするかではなく、
どうあるべきかが大切ということです。
言葉ももちろん大事
でも、もっと大事なのは根底に流れる想いです。
昭和世代の叱り方(きっとそれは怒ってる)しか
できない方からすると、
最初は理解しづらいとは思います。
でも、正しい叱り方を学び、
それを実践できるようになると、
驚くほど、対象者が自分に敬意を払い、
かわいい後輩へと変貌していく
という心の報酬を受け取ることができます。
修得できて嬉しいのは、
叱られる側の今の世代だけでなく、
昭和の世代である自分もそうだと
認識できたならば、
少し時間はかかるかもしれませんが、
ものにするまで努力ができるかもしれません。
会社としては、
「怒る」を撲滅し、「叱る」を奨励すると
全社員に告げましょう。
そして、全社員で「怒る」をしてしまった人に、
それはこんな風に「叱る」に変えていきましょう。
という具合に補助輪を付けるとみんなで学んで
いけるようになります。
そして、
「叱る」への移行ができたら、
相手の良いところを認めながら叱ることや、
相手を頼っている自分の気持ちを伝えながら叱る
という高度な叱り方もありますが、
そんなことは気にすることなく、
「叱る」は相手のために
という心だけをまずはマスターしていただくだけで
かなり変わると思います。
ぜひお試しください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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