vol.0141 採用を作り込むと、実際に入社してからのギャップができそうで怖い。(3/5)
前々回にギャップは起きるけれども、
それは問題ではないということを
そして
前回に問題になってしまう3つのケースのうち
1つ目のケースである
採用メンバーの言うことと、配属先の先輩の言うことが真逆
をお伝えしました。
今回はケース2の説明をしていきます。
■ケース2
目指す方向性と、実際に落ちてくる指示に矛盾がある
こちらはケース1の状況があると、
同時にケース2も引き起こされるということもありますけれど、
ケース1をクリアしていたとしても、
ケース2だけが起こるということは
実は結構あります。
言葉を選ばずに言わせてもらってしまうと、
視点が低いのです。
ある指示を出した時に、
指示を受けた人が、その行動を取る。
という直接的なことまでは想定していても、
その指示が意味するところが
会社の方針に背いているかどうか?
まで見えていない。
分かりづらいので例を出します。
例えば幼児教育をしている会社で、
「子どもは生まれながらにして
たくさんの才能を持っている。
そしてその才能は皆同じではない。
だから、その子に合わせた教育を
提供します。」
と謳っているとします。
素晴らしい考え方だと思います。
同業の前職で
「子ども達のことを考えたら、
Aをしてあげるべきなのに、
全員に個別対応するわけにはいかないから、
Bをしなければならない。」
という状況が、
自分の理想と実際にやっていることの
ギャップに自分の心を痛めていた人も、
この会社に転職をしたいと考えるでしょう。
この会社で、
預かっている子どもに合わせた教育を提供する
ということを重視するあまり、こんな指示を
出したとしたら、どう思いますか?
「教育で素晴らしい成果を出している会社があります。
あなたは、研修に行って、その会社の提供する教育を
修得してきてください。」
この時点では、
大した疑問は感じないでしょう。
自分の引き出しを拡げることができる
素晴らしい提案です。
あなたはその研修に喜んで参加します。
その研修を受けて帰ってきて、
上司に報告をします。
その結果
「よし、じゃあその教育をこれから採り入れていこう」
となりました。
ある時、あなたは目の前の子と向き合った時に、
研修で学んできた方法よりも、あなたが考えた別の
方法の方が目の前の子には適していると考え、
考えたオリジナルのアイデアを実行しました。
その状況を見た上司はあなたを呼び出し
叱りつけました。
「どうして学んできた研修の通りしないんだ?」
「この子には、こっちの方法の方がいいと思いまして」
「未熟なあなたの考えることよりも、実績を上げている
その会社の方法の方が素晴らしいのだから、
まずはそれをやりなさい。」
さて、どんな風に感じたのでしょうか?
子どもにはそれぞれ色んな才能があって、
それを尊重すると言いながら、
自分が受けている指示は型にハマれ
独自性なんか出すんじゃない。
という指示です。
上司は会社の教育方針を実現するために、
している指示だと思っています。
しかし、それは
「子と後輩は別なの?」
「大人には多種な才能はないの?」
と矛盾した指示となってしまうのです。
人は与えられたことしかできませんので、
その子にあった対応をしてもらいたいと
思うのであれば、後輩にあった指導をするのが
自然であり、型にはめた教育からは、
型にはめる教育しかできない人を育成します。
なかなか気づけないものなので、
広い視点から、その上司に自分の指示が何を
意味することなのかを諭してあげないと
いけませんね。
次回は
■ケース3
理想像が自分たちを動かすためのエサに思えてしまう
を解説します。
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