挑戦するためには、リスクヘッジが欠かせない。 | 就活交換日記
これは、葛藤を抱えながら就活している大学生と、東京で働くクリエイティブディレクターとのリアルな交換日記です。今の就活生が感じる心の揺らぎと、社会人からのさりげないエールをお楽しみください。
前回までの就活交換日記
就活本格化を前に、自己分析を進めたという愛さん。北さんは、愛さんの将来の可能性に目を向けながら「自己分析は今時点のものだから、自分を決めつけすぎないようにね」とエールを送りました。
#13の就活交換日記はこちらから。
今週は、集団面接を受けてきたという愛さんの日記から始まります。
登場人物
大学生の愛さん(仮)
地方文系大学に通う就活生。留学経験がある。ひょんなことから北さんと出会い、交換日記を始めることになった。様々な心の葛藤を抱えながらも等身大に就職活動を行おうと奮闘中。
クリエイティブディレクターの北さん
コピーライター歴、約20年。長年採用広報に携わってきた経験から、採用のクリエイティブをもっと面白くしていきたいという熱い思いを持っている。宣伝会議コピーライター養成講座で、求人広告クラスの講師も担当。
愛さんの今週の日記
「不完全燃焼」
【2021年2月某日】
今週は初めて、集団面接を受けてきました。心と体が準備できていないうちに、いきなりバッターボックスに立ったような気分でした。
面接官1人対学生5人のグループディスカッション形式の面接で、自己紹介と学生同士で哲学的なお題に対する解を見つけ出すという作業でした。
好きだなと思う会社の面接で少し上手く話せたような気がするし、自分も含め学生たちが緊張の面持ちで自己紹介をしたり、意見を一生懸命言おうとしている場面を客観的に考えたらとても微笑ましいような気がして、緊張のような、上機嫌のような、不思議な気持ちで面接を終えてきました。
こうして本格的に始まってしまった就活ですが、正直居心地の悪さと共存しています。いまは、なんとなく将来のために必要だから、とか、卒業してから進路が決まっていないと不安だから、という未来への予防線を張るために動いている感じです。いまこの瞬間に、自分の中の何かが不完全燃焼しているような気がしてすごくモヤモヤします。あー、いますぐ何も考えないで外国に行って放浪してしまいたいなという気持ちです笑
こうやって矛盾をもみ消しながら、大人になっていくんでしょうか?
まだモラトリアムのままでいたい私でした。
北さんからの就活エール
「予防線を張るから、挑戦できる。」
いよいよ、選考も始まったのですね。集団面接とか、もう自分がそこにいることを想像しただけで、僕は緊張してしまいますw。そういう意味では、愛さんは自分の気持ちや周囲の様子を客観的に見つめながら受けられているだけでもすごいことだと思います。
でもって、日記の後半に「未来への予防線を張るために動いている」という一文がちょっとネガティブな印象とともに綴られているけれど、未来への予防線を張ることは、決して悪いことじゃないと思うよ。僕はどうも、日本人というのが馬鹿正直すぎる気がするのです。というか、「挑戦」というものを勘違いしてる気がします。挑戦は決して無理難題に挑むことばかりじゃないし、まして無謀な賭けであってはいけないと思うのです。そして、挑戦の裏には常に準備や根回し、失敗したときのためのリスクヘッジが必要で、そうした予防線が張られているからこそ、思い切った行動ができるのだと思います。
だから、まだ自分の進むべき道が決まっていないのであれば、なおのこと就職活動をして未来への予防線を張っておくとよいよ。まあ、愛さんの場合は、海外を放浪できるスキルと度胸を身につけてること自体が、日本社会で様々な挑戦をする際の予防線になってる気もするけどね。
ということで、愛さん、がんばれ〜。
編集:家洞 李沙(Fanclub)
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