エジプト神話BL漫画「エネアド」を無料分30話まで読んだ。→これって「あれ」じゃないですか!
*若干ネタバレあり。注意。
「韓国では最新話が更新されるたびにサーバーがダウンする」と有名な、エジプト神話BL「エネアド」を無料分30話まで読んでみた。
「おいおい、そこで切るのかよ」というところで無料分が終わっているところが小憎らしい。
とりあえず30話までの感想だが「セトが好みすぎる」
これに尽きる。
*シーモアで読んだ。
読み始めたらセトは強気で傲慢、傍若無人な振る舞いで自分の子供からさえ恨まれている嫌われ者なので「おおっ」と思った。
BL初心者なので「強気の受け」というパターンが初めてだったのだ。
読み進めて思ったが、これは男向けで言うところの「くっころ」だ。
「くっころ」は、シチュエーション自体のエロさが肝で、直接的なエロは蛇足だというのが個人的な意見だ。
「エネアド」は、セトとホルスが最高神の座を争ってエネアドの神々の前で戦う。明言はされていないものの、これはセトが負けることを前提としている。最初から出来レースだ。
周りはイシスやホトホルのように露骨にホルスを応援しているか、セトが負け前提の出来レースを必死に戦っている様をニヤニヤしながら見ている。(←演出上はそうは見えないが、ネタバレ感想を見る限りでは後でそういうことだったとわかるのだと思う。というよりそうであって欲しい。頼む)
出来レースであればあるほどその絶望がハマっている人間の気高さや悲愴さを高めて、余計にそれを折りたいという欲望が高まる。
「くっころ」はこういうものだと思うが、この状態をストーリーで長々と見せて欲しいのだ。
罠にハマっている人間がいかに気高いか、どれだけ絶望的な状況に置かれているか。何を背負っているか。
そういう「状況や設定」が一番エロいわけで、直接的な性行為はただの結果に過ぎない。
「くっころ」と言えば「くっころ」になるわけではない。(と力説したい)
「エネアド」は30話くらいまではエロシーンはまったくない。
ずっとセトが何かを背負っていることが匂わされ、そのことを知らない人間はセトを恨んでいるために、知っている人間は面白がりながら(←たまらん)周り全てが全力でセトを追い詰めて心をへし折りにかかる。その様子が手を変え品を変え描かれている。
*セトのような必死に強がって傲慢ぶっている男に対して女性がこういう精神的な攻めをするシチュが大好きなので、BLよりもこのままセクメト×セトを見たかった。(心の叫び)二人称が「君」なところと「セトちゃん」呼びがいい。
ラーでもいいんだけどな。セトを指さして「はっずかしい~」というシーンが良かった。
「君がいつか自分自身に耐えきれず自滅するってわかって」いる人間の踏ん張りを見る。
と言葉にすると、趣味が悪いが(まあ好みなんてそんなものだろ)そこが「強気受けモノ」(性別問わず)の醍醐味だ。
・何に耐えているのか。
・なぜ耐えているのか。
・どんな風に耐えているのか。
この辺りが、そのキャラの魅力なのだ。
申し訳ないがこの辺りを「貴い身分だから」と記号化してしまう作品は、「何もわかってない」と心の中で思ってしまう。(ほんと申し訳ありません)
その点、「エネアド」はその部分を前振りとして丹念に描いている、恐らく後半にこの構図の真の意味がわかるのだろうという期待が煽られる。
普段はセトの顔が隠れているのも、抱えるものを絶対に外には漏らしたくないというセトの思いを象徴しているようでいい。
「早く素顔を見たい」という気持ちになるよね。(ひでえな)
これは絶対に続きを読むなと自分で分かるが、やっぱりどうもサブスクの漫画サイトに登録するのは気が進まない。
頼む、kindleで出してくれ。
既読済みの一話から全部買うんで。
結局シーモアに登録して読んだ。
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