【衆議院選挙2024】投票1週間前なので、各党の公約を読み比べてみた。

 期日前投票に行く前に、各候補の公約をチェックしてみた。

 読売の紙面でチェックしたが、NHKが分野ごと、政党ごとにまとまっていて見やすい。

 特定の支持政党はない無党派層。政治指向としては左寄りの中道だが、具体的な政策によっては振れ幅がある。
 そんなたぶん日本で一番ボリュームがある層の一人である。


◆今回の選挙で重視していること

今回の選挙で重視していることは、
①社会保障:世代間格差・教育格差の解消→高齢者も所得や資産によって応分の負担をして欲しい。低所得でも一人親でも子供を余裕をもって育てられ、望めば大学まで行かせられる体制を早急に整えて欲しい。
②経済政策:財政健全化も考慮→財源を示さず消費税を下げるという党は信用していない(国債を刷るか、社会保障を削るか、公約違反かのどれかになるとしか思えない)
③外交:基本的には岸田路線の継承を求めている。日本の経済安全保障にも直結しているので、ガザ停戦、中東和平に強い姿勢を示してくれるところがいい。
④地方をどうするか:観光地、産業を中心に生活圏をコンパクトにまとめるしかないのでは、というのが自分の考えだが、他にいい具体案があるか。

ということを踏まえて、各党の選挙公約をチェックしてみた。


◆各党の公約をざっくりチェックした。

・自民党
 石破色独自路線はなく、ほぼ岸田政権の政策を踏襲。「アジア版NATO」などに度肝を抜かれていたので拍子抜けした。
“「デフレ脱却最優先」で、経済成長と財政健全化の両立を実現”
 唯一、「財政健全化」に触れているところは好印象。
“年収の壁撤廃”を明言しているところもいいが、他は特に見るべきところがない。ここに裏金も加わると……。

・立民党
「中道に寄りすぎて、自民と見分けがつかなくなった」とささやかれているが、具体的に見ていくと「見分けがつかない」ほどではない。
 立民の政策がいいと思うのは、「人への投資」ということが一本の柱としてきちんと見えるところだ。
“同一価値労働・同一賃金の実現”
“男女間で賃金格差をなくす”
“公立小中学校の給食費無償化”
“国公立大学の授業料を無償化し、私立大学・専門学校は同額程度まで負担軽減”
 財源としては“所得税の累進性を強化”する。確かにやりすぎると人材が流出しやすくなるけれど、寄付控除の強化や環境対策など社会貢献に関する分野に投資した場合は控除額を大きくするなど何か対策を打てばいいと思う。
 立民は防衛政策が気になる。
 日本は他国に比べてサイバー分野(第六の戦場?←訂正:第5の戦場だ。第6は認知戦だった)で遅れているが、この辺り予算を見直しても強化できるのか。他のことはともかく「能動的サイバー防御」には力を入れて欲しい
「防衛費なら削っても文句を言われないだろう」という姿勢は困る。

・維新
 
維新は新自由主義的な考えに賛同する層、若年層をターゲットにしているのが明確にわかる。わかりやすくていい。
“消費税のみならず所得税・法人税を減税する「フロー大減税」を断行し”とあるけれど、これで“幼児教育・高校で所得制限のない完全無償化”ができるのか? 
 国債を刷ると将来的に利上げが難しくなるし円がどんどん弱くなる。
 資源がある国なら、自国の資源や資源で物を作って輸出すればいいから円安もいいが、日本は今の為替でさえ円安の恩恵よりも負担のほうが重くなっている

 自分は経済はド素人だが(というよりだからこそ)長期的に見れば将来が大変そうで不安になる
 主要都市は全部外国人に買われて、会社は外資だらけになる。そんな未来にならないか? 大丈夫か?
と疑問が多い維新の政策だが、“子供の数が多いほど税負担の軽減が大きくなる日本版「N分N乗方式(世帯単位課税)」” 詳しく調べないとわからないがこれは良さそうだなと思った。

・公明
“防災庁の設置”
“アジアにおける多国間の安全保障対話の仕組みづくりを日本が主導として推進”
 総裁選前の石破さんか?と思ってしまった。
(NATOではなく)経済や安全保障の枠組みをアジアで作ることは自分も賛成である。今もTPP、IPEF、RCEP、クアッドなど色々あるが、中央アジアや中東、島嶼国まで縁を広げて欲しい。

・共産
“70歳以上の医療費窓口負担を一律一割に引き下げ”
 どこを向いて話しているかわかりやすいと言えばわかりやすい。

・国民
「未来志向の積極財政」で維新と同じ大盤振る舞いだ。
 で、財源は?と思わないこともないが、出す方向は賛成なので判断が難しい。
“防衛技術の進歩、宇宙・サイバー・電磁波などの新たな領域に対処できるように~防衛力強化のため防衛費増額”
“介護職員、看護師、保育士らの給料を二倍”
“毎年五兆円程度の「教育国債」を発行し、教育・科学技術予算を年10兆円規模に倍増”(使い道が明確なら、国債発行も許容できる)
“後期高齢者医療費の自己負担を原則二割、現役並みの所得者を三割に”
“生活再建を目指す被災者の税負担を減免するため「災害損失控除」を創設”
 実現したらいいなと思うが、実現させるならむしろ税は上げなくてはいけないのでは?という疑問がある。
 先日の玉木さんの発言といい、ちょっと焦っていないかと感じる。

 ざっくりしたチェックはこれくらいで、あとは読んでいて疑問に感じたことを調べつつ投票に行きたいと思う。


◆日本をどういう国にしたいのか(するつもりなのか)

 自分が一番重視しているのは
⑤長期的な展望:日本をどういう国にするつもりなのか。

他の分野や具体的な施策は、すべてここからの派生になっているかどうか。
 例えば選択的夫婦別姓を唱えるなら、「それが国際(欧米)標準だから」「時流だから」「単純にそちらのほうが便利だから」ではなく、官民問わず世帯単位で作られている制度の枠組みをすべて見直すことになる。社会保障の所得制限など(130万の壁など見直しされるようだけど)は撤廃になる(保障も個人単位になる)

 もうひとつは、人口も減るし、資源もない。食糧自給率も低い国がこれからどう生きていくのか。
 直球で言えば将来的には何で食っていくのかということから政策を考えられているか。

 エネルギー政策については自分も原発・化石燃料なしで再エネ利用が理想だとは思う。
 ただ日本の強みを考えると「アジアの中では政情が安定している」くらいしかない(人口も減るし、資源もない)
 他国の安全保障地点として使える(あと観光か)が一番強いところだと思うのでデータセンターや半導体工場を誘致するとなると、大量のエネルギーが必要になる。
 それを再エネだけで賄うというのは無理があるのではと思う。

 こういうことを示さないで「ただ消費税を下げれば喜ぶだろう」「何でもいいから少子化対策をすればいいんだろう」「若者の未来を、と言っていればいいだろう」という風に「目先のことを言って喜ばすだけ」の言動がポピュリズムである。
 自分も日常を生きている一般の人間だから、物価高は苦しい。自分よりも生活が大変な人がいるだろうし、そういう人が「先のことじゃない。今、助けて欲しいんだ」と言う気持ちはわかる(凄くわかる)
 有権者は自分のために一票を使うべきだが、政治家がそれにただ乗っかって短期的なことだけを考えられるのは困る。
 そういう政治家は信用できない。

と、いうことを踏まえて投票に向かいたい。

※以下はもう少し突っ込んだ考えを書いているので、一応区切った。

◆「道を歩く国民の様子が、自分の政権運営に対するフィードバックなんだ」という発想を持つ人に総理になって欲しい。

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