「ダンジョンは逃げない」の特徴
ここでは、ゲームマーケット2024秋で販売予定の一人用ボードゲーム「ダンジョンは逃げない」の特徴を説明しています。
本作の総合的なページに以下になります。
本記事では、その中でも特にゲーム内容に焦点を絞り、どのような特徴を持ったゲームであり、どのようなプレイヤーに向いた内容になっているのかということを紹介したいと考えています。
これにより、自身のゲーム感覚に合っているかどうかを測り、ご購入の参考にしていただければ幸いです。
キャンペーン構成
1人用のゲームとなっており、プレイ人数は1人となっています。プレイ時間は20分程度と書かれていますが、これは初回プレイ時に、長引いた時の時間であり、基本的にはそれより短いことが多いと思います。ただ、これは1ゲームに対しての時間となります。
基本的には、カードデッキすごろく、とでもいうべきゲームであり、ダイスを振って、その数(に各種補正を足した分)だけカードをめくり、その数値ちょうどのカードを表にします。そして、その効果を発揮する、ということを繰り返していくゲームです。
本作の特徴の一つとしては、キャンペーン形式のゲームになっている、ということです。ですが、キャンペーン形式とは言え、過去作のような、自身や相手の編成が変更されたり、難易度が変更されたりして、プレイすることになる、というわけではなく、共通の対象に対して、複数回のゲームプレイを行い、最終的にクリアすることを目指す、という形になっています。
具体的には、キャンペーンの開始時(キャンペーンでないゲームは存在しないので、初プレイは必ずこのようになります)、一定のルールに従って、複数の種類のカードをある程度ランダムにして構成し、ダンジョンデッキを作成します。
そして、複数回のゲームプレイを通して、このダンジョンデッキの最奥まで行って、生還して帰ってくる(これをダンジョン踏破と呼んでいます)ことができれば、キャンペーンクリアとなり、再びプレイしたい場合は、別のキャンペーンをスタートする(つまり、また新しくデッキを構成し直す)ことになる、という形となります。
これは、たとえば、「DARK SOULS」シリーズの探索やボス戦などをイメージしていただけると想像しやすいと思います。1回死ぬまでに相当するのが、本作の1ゲームプレイであり、次の篝火まで辿り着いたり、ボスを撃破したり、というのがキャンペーンクリアに相当する、という形です。
1回のゲームプレイでは、ダンジョン(デッキ)の奥へと潜っていき、自分の好きなタイミングで帰路に付き、生還することを目的としていきます。
各ゲームプレイにおける、ゲームオーバーは、生命力(ライフ)が0になることで、そうなると、プレイヤーはその場で倒れることになります。
この時、倒れた場所からデッキの上方向(つまり、ダンジョンの入り口に近い方)へ一定の枚数だけ、表面になったカードを裏向きにしていきます。
また、任意ではありますが、倒れたカードの裏に印を直接記載する(シールを貼る、スリーブに入れた上で目印を付けるなどでもよいです)ことができるようになります。これはソウルライクによくある血痕のシステムのソロプレイ版のような形で、危険なカードがわかりやすくなります。
逆にゲームクリアは、生命力が尽きる前にダンジョンから帰還することになります。
この時、直接的な報酬はないのですが、ダンジョンの探索によって表になったカード(つまり、自分が止まったカード)はそのままになります。
本作は、カードデッキすごろくと言ったように、普段はダイスの出目分だけ進んでいき、その数字ちょうどにしか止まることができないのですが、その途中で通過する表面のカードには、止まることができるようになります。
たとえば、4枚分めくってもよい、となった時、2枚目のカードが表であり、未だ不明の4枚目のカードよりも、その効果を受けた方がマシだな、と思った時は、そこに止まれるようになる、ということです。
なので、ダンジョンに何度も潜り、生還することができれば、その情報・経験が蓄積する(表面のカードが増える)ことで、自身で制御できる幅が増えていくことになります。
また、ダンジョンデッキの中には、アーティファクトカードが隠れていることがあり、それが公開された場合には、生還時にそれを持ち帰り、次の探索に持って行くことができるようになります。(ゲームオーバーになった場合、また裏面に戻ってしまいます)
つまり、各ゲームプレイ=ダンジョン探索によって、自身のダンジョンの情報を少しでも多く持ち帰り、アーティファクトを手に入れていくことで、ダンジョン探索を楽にしていき、最終的には最奥に辿り着いてから、生還することで、キャンペーンクリア=ダンジョン踏破を目指すゲームになっています。
すごろく由来のシンプルなゲームプレイ
過去作と比べ、選択肢を制限することで、シンプルなゲームプレイが実現でき、さほどアナログゲームをプレイされていない方でもプレイしやすくなったと思っています。
まず、何よりも基本的なメカニクスはすごろくであり、ダイスを振って、そこから算出された値の分だけカードをめくり、公開したカードの効果を適用する(その中には、効果を選ぶものもありますが、2択しかありません)ことを繰り返すだけです。
もちろん、ダイスを振る前に、アーティファクトカードの効果を使用することができたり、振った後も予備ダイスと交換できる(プレイヤーは予備ダイスという、もう一つのダイスを持っており、それと振ったダイスを交換することができます。つまり、その出目は、また後に予備ダイスとして使われるわけです)というメカニクスもあり、色々と介入する余地はありますが、シンプルな選択が多いです。
過去作「私は一人、ダンジョンで目が覚めた」におけるタイムトラックとステータスの管理や、過去作「ダンジョン・インベーダーズ」のダイスドラフトにおける分岐の量の多さ、などと比較して、わかりにくさは軽減されている、と考えています。
総合的な体験として行いたいこと
登山のようなダンジョン探索をテーマとして、ゲームをデザインしました。本作は、基本的にはダイスによって、進めるマスが制限されますが、何度か行き来することによって得た情報や、リソース・リスク管理を行うことによって、より、奥へ行くことができ、そして、帰ってくる、という体験を再現できるようにしたい、と考えています。
また、ダイスの特性を制限するものとして、ダンジョンの奥へ行くほど、進む量に制限をかけていく、というメカニクスを採用しています。
たとえば、1段階、奥に進むことで、ダイスの出目が常に-1されているようなものとなる、というような形です。
これによって、1・2・3・4・5・6という値のどれもが均等に出てくる、という、すごろくには適さない(!?)6面体ダイスの特性をある程度抑えようとしています。
また、ダンジョンの奥では、これらのような抑制がされる一方で、地上に近ければ近いほど、これらのペナルティが軽くなることによって、高度登山などにおける抑圧感と解放感が表現できれば、と考えています。
元々、登山とソロゲームは相性が良い、と考えていたので、そのような抑圧とそれからの解放、思い通りにならないままならなさと、その中でも上手くやり繰りしていく楽しさ、というようなものが表現できていればよいな、それがプレイヤーの皆さんの中にも生まれればよいな、と思っています。
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