saito kaho

いつも心にユーモアを

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かわいい ひざ

 今日も運動会の練習だった。僕足が遅いんだ。今日の徒競走もビリケツだった。小学校1年生の息子が夕食を食べながらボソボソと話す。 うんうん、と話を聴きながら思う。幼稚園までは運動会でも競争なんてなく横並びだった。1番もビリケツも無い世界。小学校に入って突然の競争という荒波に揉まれて打ちひしがれているのだ。  お父さん、お母さん、俊足っていう靴を履くと、はやく走れるんだって。お友達が言っていた。みんな履いてるの。僕も運動会にその靴を履いて走りたい。買って欲しいという息子のお願いに

    • 少し涼しくなる不思議な話

       私が中学生2年生の頃の出来事である。当時、自由に通う曜日を決められる小さな学習塾に友達の紹介で入ることになった。 私は転校生で、まだ学校にすら慣れておらず、知り合いも少ない。次から次へと新しい環境に身を投じており、どこに行っても不安だった。  入塾初日、塾を紹介してくれた友達と2人で教室にいると3人組の女子が入ってきた。同じ中学の子達らしい。「初めまして、これから宜しく」と緊張しながら挨拶をすると3人のうち2人は「宜しく」と笑顔で返してくれたのだけど、最後に入ってきた女の子

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