La saison des osmanthus
どんなに暑さが残る年でも季節になると金木犀が咲くことを、その香りが教えてくれる。いつからか、気になる花になっていた。
メモを残したくなるくらい、金木犀に好意を抱くように。
知ったころ
存在を初めて知ったのは生花ではなく人工的な香り。半世紀前くらい、トイレの芳香剤として。トイレットペーパーホルダーに仕掛ける芳香剤の香りとして知ったのが出会い。なので、第一印象は複雑。トイレの室内はキンモクセイ芳香剤の香り、屋外トイレの近くにはゼラニウムが咲いているという、トイレ関連の二つの花というイメージ。葉のにおいから、ゼラニウムは今でもあまり得意ではない。アロマでもゼラニウムとレモングラスは二大不得意な香り。一方金木犀は一方金木犀は生花を知って大好きな香りの花に。あくまでも自分のイメージ。近づいたとき
社会人になってお酒の席に参加することが増えた頃、自分はビールやいろんなアルコールを経て年をとったら黒糖焼酎にたどりついたけど、女性をはじめ甘いお酒を好む人たちから教わったのが、梅酒、杏露酒、そして「桂花陳酒」というお酒。中国の白酒にキンモクセイの花を3年間漬け込んだ中国の混成酒というのが一般定義らしい。自分も興味で少し口にしたことがあったけど悪くはないイメージ。食事にはどうかなと思うけどかえって食べ過ぎを抑えてくれるような甘さと香り。原酒度数は13-18度あるみたいで、ワインや日本酒のようにゆっくりとやはり香りを楽しむものなのかもしれませんね。存在は今では懐かしいというところに。一度別れたとき
金木犀の香りが好きになっていつごろからか自分の家でも栽培してみたいたいと思うように。鉢ではなくて植え込みに、昨年まで構えた居の玄関横に植えてみた。はじめは隣の木槿ばかり咲いてきれいな白い八重咲ではあったけれど、おそらく植えた初年度は金木犀は花を確認できなかったかもしれない。次の年のやはりこれくらいの季節に、やはり香りから存在を知った。木槿が終わるころよく見ると小さな淡いオレンジ色の小さな花を発見した。ほんのりの香りにほんのりの喜び。次の年にも期待する心境だったかもしれない。しかし昨年居を手放すこととなりクマタケラン、バンシロウの鉢とともに金木犀の枝すら連れていくことができず、我が家で楽しんだ生活は数年で終わりとなることに。今の街の周辺で香りがして、昨年のことを思い出したりしている。
香りのある花で満たしたい今の居住地に、できることなら金木犀を植えたい。また別れにならないようにしたいけれど、今のところ植込みや場所が満杯でかないそうにないかもしれないけど、先住の植物も断捨離してスペース確保し自分が愛する植物に囲まれたいから、そのうち実現するかもしれない。この香りの良さを知っているから急ぎはしないし、苗に出会ったときに大きくなることを想定してスペースを作って、ぜひそばに置きたいと思ってしまう花なのです。
おまけとして、期間限定ハンドクリームで使用したこともあったし、最近では衣類防虫剤も出回ってますね。白い花バージョンの銀木犀の存在も知り、この香りに包まれるのが、ささやかな季節の幸せと感じているのでした。
個人的な些細な幸せについてご覧いただき、恐縮であり感謝の意でもあります。ありがとうございます。