【レポート×歴史小説】浅葱色の翼⑨
取材レポート空への道を歩む
日露戦争は、それまでの日本が経験した戦争とはまったく異なる規模であった。戦闘に参加した日本の軍人と軍属の総数は、戦地と後方勤務を合わせると108万人超。戦死者は約84,000人であり、日清戦争時の戦死者と比較すると、およそ10倍だという。
この激戦から好敏が「生きて戻った」ことは、日本の航空史にとって大きな意味があったといえる。
日露戦争をくぐり抜けた後、好敏は陸軍の「砲工学校高等科課程」に進んだ。ちなみにこの学校は陸軍における技術教育の最高