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clubhouseを使った闇のファシリテーション技術について

ここ1ヶ月位で誰もが書きたくなるclubhouseについてですが、流行りに乗って僕も書きたくなりました。テーマは「闇の(ダーク)ファシリテーション」について。

闇のファシリテーションとは?

闇のファシリテーションというのは、僕が勝手に名付けたものですので少し説明をします。
ファシリテーションというのは簡単に言うと「対話を生み出すための技術」のことです。ちゃんとファシリテーションをすれば、意見や価値観の異なる人達が互いに考えを伝えあい、対立や妥協をせずに「お互いにとってよりよい落とし所」を探ることができます。
一方で、闇のファシリテーションというのはこの「対話を生み出す技術」を悪用する場合のことを指します。

例えば「対話の誘いByジャイアン」という闇のファシリテーションパターンがあります。
これはドラえもんに登場するジャイアンが
「おいのび太、対話しようぜ」
と言っているような状況です。

もう少し詳しく解説すると、対話のテーブルに座る両者の間に明確な格差が存在する時、格下の人間は格上の人間に忖度した意見しか出せないが、格上の人間にとってはそこで出てきた意見が「対話の結果」として使われる、というものです。
この結果、対話は成立せずに建前や忖度された意見しか出てきません。

このような、ファシリテーションの皮を被った対話とは似て非なるものを生み出すのが「闇のファシリテーション」なのです。

clubhouse×闇のファシリテーション

さて、昨今大流行中(Androidユーザーを除く)のclubhouseですが、このプラットフォームは闇のファシリテーションととても相性がいいように感じます。そう思ったので、clubhouseで使いやすそうな闇のファシリテーション技術を考えてまとめてみました。
今回は4つほど考えたのでご紹介します。

※闇のファシリテーションを言語化する理由※
ちなみに正しい闇のファシリテーションのパターンの使い方は、これらのパターンを認識することで「使われている」ことを意識化するために使います。もし自分が闇のファシリテーションを使われていることに気がつくことができれば、相手の思い通りに動くことに対する抵抗力にすることができます。
また、闇のファシリテーションのパターンを知る人が増えれば増えるほど、そのパターンへの抵抗力を持つ人が増えます。こうすることによって、悪意をもって闇のファシリテーションを使う人よりも、抵抗力を持つ人が増えることを目指しています。

(1)パターン名:四面サクラ、八方サクラ

内容:モデレーターが「なにか意見ある方?」などと聞いた時に採用されるのがサクラばかり
効果:発表された内容に対して肯定的な印象を覚えるような空気を出すことができる
clubhouseポイント:発言している人がサクラなのかを判断するための材料が、発言者のプロフィールくらいしかない。そのため話している人が本当にそう思っているのか、サクラで台詞通りに話しているのか判断がつきにくい。
使う状況の例:特定の商品を売りつけたい場合や、オンラインサロンの勧誘の際にさも客観的に見て有効であるように見せかけたい時、など

(2)パターン名:話題のフェイクニュース割り

内容:正しい情報を話した後にフェイクニュースを話し、その後にまた別の内容の情報を話すことで話題の中にフェイクニュースを混ぜ込む
効果:リアルタイムで流れていき録音もできない場では、一つひとつの発言を「正しいかどうか?」判断することが難しい。そのため正しい情報の中にフェイクニュースを混ぜ込んでいき話題の数が膨大になるほど「フェイクニュースである」と判断できる人が減っていく。
感想:例えばドナルド・トランプがclubhouse使うとめっちゃ相性良さそう。Twitterよりもやばい感じになりそう。証拠を残さずに嘘を広めることができるから。

(3)パターン名:インスタント権威

内容:嘘のプロフィールを書き、さらにその嘘の内容が真実であるかのように周囲のスピーカーが取り扱うこと
効果:誰であっても権威を持つことができるようになる。さらにその権威を疑う人を嘘つきにすることができる
例:
嘘つき「私は東京大学を出てとある研究所で新しい病原菌の研究をしています」
サクラ「あ、◎◎さん私知ってます!◎◎学会で会いました!」
疑う人「私は◎◎研究所で働いていますが、あなたは知りません。」
嘘つき「私こそあなたの名前は聞いたことがありませんね。」
この立ち振舞をされると、誰が嘘つきなのか判断がつかない

(4)パターン名:バーチャルライブ配信

内容:緊急性が高い課題(例えば災害とか)に対して、まるでライブで支援を行っているかのように演出を行い、熱狂の中で人々を騙す
例:大地震が起こった時に「今から被災地に支援物資を運ぶ様子をライブでやります」というルームを立ち上げる。そのルームの中で、「私の活動を支援する方は◎◎で検索して寄付をお願いします。」と言い続ける。実際は支援物資を運ぶこと自体が嘘。
強み:基本的に記録に残らない出来事なのでリアルタイムでの検証ができない。そのため嘘であると発覚する可能性が低い。
感想:これは知ってても騙されるかもしれない…。

まとめ

clubhouseと闇のファシリテーションの相性はめちゃくちゃいいと思いました。というのも、clubhouseの中で起こっていること自体がフィクションなのかリアルなのかの判断がとてもむずかしいからです。なので、さもリアルに見えるフィクションに対して参加する側は(今の僕が考える限りでは…)有効な手立てがありません。

悪意と技術がある人間が上手く使えばコロっと人々を騙すことができます。
ただ、だからといってclubhouseに反対なのではなく、そういう特徴があるSNSなんだなぁというのを意識しながら適当に楽しんでいきたいと思っています。

誰かが「Twitterはインテリのパチンコ」と言っていたけれど「clubhouseはまるで声のアルコール」のような印象です。適度に嗜む程度に楽しんでいきたいと思います。

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齋藤商店
齋藤商店の公式noteです。公式サイトはこちら(https://sites.google.com/view/saito-md/)です。