見出し画像

オンラインでファシリテーションする時に大事だと思うこと(2020年9月版)

オンラインでのファシリテーションをうまくするコツや工夫を教えて欲しい、と言われたので自分が現在やっていること・考えていることを書き出してみた。

ファシリテーションにおいて大切な観点は大きく分けて2つ。

第1に「オンラインでのファシリテーション特有の大切なこと」
第2に「リアルでも共通する大切なことをオンラインでするには?」

第1:オンラインだから大事なこと

オンラインの特徴は「感覚の制限」と「ノイズの増大」にある。

感覚の制限、というのは五感が制限されているということだ。例えば、嗅覚はオンラインでは届かない。また視覚はディスプレイのサイズに制限されているし、聴覚も電波の遅延や使っているマイクやイヤフォンの性能に依存する。
感覚が制限されることで、参加している人にとって得られる情報の絶対量がオンラインはリアルよりも少なくなる

同時にノイズが増える
ノイズというのは、突然母親に「晩ごはんできたよー」と呼ばれることとか。その場に関係ない出来事がリアルに集まったときよりも起こりやすい。

ファシリにとっても、参加者の背後に下着が干してあったりしたら、まぁ集中しにくいんだ、これが。

情報の絶対量が減りノイズが増えると、人間はその場に没入しにくくなる
家のテレビで見るよりも、映画館で見るほうが没入しやすいのは情報の絶対量を巨大スクリーンと高級スピーカーでましている一方で、不必要な情報がなるべく館内に入ってこないようにしているからだ。

参加者に没入してもらうためにはどうすればいいか?
例えば「集中しないとできない作業」をしてもらう、という方法がある。

具体的には「指示通りにストレッチをしてもらう」とかがある。
「じゃあまずは、椅子に座りながら背筋を伸ばしてください。そこから右手を上げて、左手で右手首をつかんで…」
というふうに指示をされると、人はその内容に集中する。

他には例えば、インタラクティブな場を用意するという方法がある。付箋サービスを使ったアイスブレイクなんかが該当してくる。

Google Jambordという付箋サービスがある。これは参加者が自由に付箋を追加できるサービスだ。
これを使って、自分の名前を書いた付箋を上が北海道、下が沖縄だとしたら自分の出身地はどのへんだろう?と並べ替えてもらうアイスブレイクなんかは没入しやすい。

オンラインだから大切なことは、オンラインの場は「感覚の制限」と「ノイズの増大」が起こることをまず理解すること。
その結果、参加者が「没入しにくくなる」という特性があることをふまえて、いかにして没入状態を生み出すか?を準備するのが大事になる。


第2:リアルでも共通する大切なことをオンラインでするには?

オンラインでファシリテーションをする、と言ってもやっていることはファシリテーションなのでリアルな場のスキルは大切だ。
じゃあファシリテーションにおいて最も大事なスキルとはなにか?と聞かれると、このネタだけでたぶん10時間くらい話せるんだけど、そんなことは求められていないのでサクッと書くと…


……
………緩急の設計かなぁ。

ファシリテーションを通じて、ファシリテーターは参加している人達がその場に「参加している状態」を作るサポートをしている。サポートをするために何が大切なのか?といえば、それは場の緩急をつけてあげることなのではないかと思う。

緩急の設計とは、参加している人達の集中力を圧縮することと、緩めることの組み合わせで噛み合った場になるようにすることを指す。

緩めることの最もわかりやすい例は「休憩時間」を設けることだ。
「じゃあここで5分間の休憩をします。」
と言われると、誰であっても「ふぅ〜」となる。
その瞬間、場に参加している度合いが下がる

逆に、場の集中力を圧縮するためには、例えば緊張感を高めるという方法がある。
これから一人ずつ順番に発表してもらいます
と言われると、緊張感が高まるじゃん。そう言われてからワークの内容の説明をされると、みんなしっかり聞いてくれるようになる。

しかしこの集中力というのは、プールで水の中に潜っているようなもので、長くは続かない。適度に息抜きをする必要がある。

この息抜きのタイミングは参加者によって全然違ってくる
僕は最適な息抜きの時間を作れるファシリテーターは優秀なファシリだと思う。僕もファシリテーションをする時は全力で全員の様子を観察している。

例えば、
ペンを動かす速度。
口が動く量。
何を見ているか、どのくらい見ているか。
背筋の伸び具合、部屋の温度や風の流れ、
などなど。

これをオンラインの場でもやろうと思うと、なるべく大きな画面でギャラリービューにして全員の様子を見たり、たまに気になる人のことを拡大して様子を眺めたりして「見る」しかない。

そこから少しでも集中度合いを測る努力をするしかない、と思っている。

オンラインで上手くファシリテーションをするためには、緩急の設計をするための観察力が大事になってくる。

おわり

いやはや、これ書いてみたけれどめっちゃつっこみたくなる場所たくさんあるなぁ。
特に「緩急の設計」が本当に大切なのか?とか、ファシリの個性によって変わってきそうだし。
とりあえず第1稿ということで、言語化をしてみた。
また機会があればブラッシュアップしていこうと思います。

いいなと思ったら応援しよう!

齋藤商店
齋藤商店の公式noteです。公式サイトはこちら(https://sites.google.com/view/saito-md/)です。