欧州の工場に3Dプリントを発注したら「Origin criteria used」の記載がないから余分な税金を取られそうになった体験まとめ
EU圏のある国の3Dプリント工場に発注したら、関税で引っかかった。具体的には、必要な記載がないので追加で3.9%の税金が発生するよ、という内容。
こちらも初めての大口の輸入だし、輸出側も日本にこれだけの大口の輸出は初めてらしくいろいろトラブったのでその体験をまとめました。というか、検索してもぜんぜん情報が出てこなかったのでこういうレアなケースにはまった人向けに公開します。
日欧EPAというものが原因
なぜこんなことが起こったかと言えば、日欧EPAという取り決めが原因らしい。これ自体は簡単に言うと「EU圏と日本で取引する中で、関税がかからないようにしよう」というお約束。
例えば、数年前に輸入物のワインが安くなったのとかはこれの影響だそうな。
なので普段はどちらかというと恩恵をたくさん受けている方の出来事なのだが…今回はこれに苦戦させられました。
不備のポイントは送り状(インボイス)にOrigin criteria usedが記載されていないこと
結論から言うと送り状(=インボイス)の中に「Origin criteria used XX」の記載が無かったのが原因らしい。XXの部分にはアルファベットや数字が入る。
ちなみに運送会社から「インボイスに不備があります」ってメールが来たときは、本当になんのことかわからず困りました。ただ、カスタマーサポートのおじさんが優しく教えてくれて助かりました。
Origin criteria used XXとは?
この「Origin criteria used」という言葉に今回は苦しめられた。日本語にすると「用いられた原産性の基準」らしいんだけど、日本語なのに何を言ってるかわからない。
今回は特に、英語でコミュニケーションする必要があったので「わからない=翻訳が正しいか判断できない」ので苦しめられた。
最終的には輸出元にこちらの書類を送ってみた。
ソースはこちら。EU圏のジェトロみたいなところが出してる文書っぽい。
(詳細はよくわからず…英語力が。。。)
さて、この「Origin criteria used」を僕なりにがんばって調べてみたところ、どんな荷物なのかをいくつかのパターンで伝えるための書き方らしい。種類はA〜Eのアルファベットと、Cの場合だけは1〜4数字の組み合わせになる。
じゃあこのA〜Eはなんなのよ?と思うじゃん。
それがこちら。
A: 完全生産品
B: 原産材料のみから生産される産品
C: 実質的変更基準を満たす産品
(1:関税分類変更基準、2:付加価値基準、3:加工工程基準)
D: 累積
E:許容限度
引用:財務省・関税局「日EU・EPAの現状について」
…これは、日本語!?
というわけで運送会社の人に相談してみたところ「3Dプリントした商品はOrigin criteria used C3でいいんじゃないか」と言われました。
まぁ確かにこの候補の中からだとC3が一番近い…かな。
結果…無事通過しました!
というわけで、運送元の会社に「送り状に"Origin criteria used C3"って追加して!」と伝えて無事に更新版の送り状を入手。それをもって運送会社に依頼したところ、無事に関税を通過できました。
ちなみに英検3級の僕が海外の工場とのやりとりに重宝してるのがこちらの翻訳サイト。めっちゃ優秀な翻訳をしてくれます。Google翻訳よりもいい感じ。無料だしおすすめです。
まとめ
1.EU圏から輸入するときは送付状に「Origin criteria used XX」が入ってないと余計な税金取られる場合があるよ
2.送る側にちゃんと「Origin criteria used XX」を記載した送り状を作ってもらおう!
3.送る側も不慣れで「なにそれ?食えるの?」って反応だったらこちらの文書を送ってみよう!
4.初めて海外の工場に大口発注するときは届くまでなんだかんだで5,6ヶ月くらいかかるのを覚悟しよう!(3ヶ月じゃ見立てが甘かった…)
と、いうことで、めでたしめでたし。
と、思うじゃん。
今度は全然別のトラブルが待っていたのでした。
つづく
※この先のトラブルはちょっと公開できない感じのやつなのでネット上には載せません※
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