こどもを叩く8 #140字小説 #齋藤路恵
こどもの頭を叩いてみる。
ペチ ペチ ペチ
ポコ ポコ ポコ
ポカ ポカ ポカ
ガン ガン ガン
ボコ ボコ ボコ
本気で殴ったら、こどもは死んでしまうだろう。
私は、私の虐待から、こどもを守らねばならない。
薄い皮膜 8-2 #140字小説 #齋藤路恵
4歳児が母の腕の中で眠り始めた。そっと布団に置くと、おしりがあまりに可愛い。母は「タローくーん」と言いながらお尻を揉む。無反応。
年嵩の人に「女親は娘より息子が可愛いって聞くから」と言われた。
虐待への薄い皮膜はもう破れているのだろうか。