たしかに愛されていたことを宝箱にしまう元日。
あけまして、おめでとうございます。
このページにたどり着いていただいたのも何かのご縁。
みなさまに、いいことができるだけたくさんある一年でありますように、お祈り申し上げます。ふだん、祈るってあまりしないけど、今日くらいは本当に祈るよ、私は祈るよ。うぬううう。
これも自分用のメモですが、(メンヘラ的には)大切なことなので公共に投げます。
後ろ向きにイキった昨日のメモ、今日はその気持ちと地続きのはずですが、断捨離スイッチが入った。
夫+子がどうやら外出することを知り(別居が始まるとこうなるんですねー。家族単位で動かない元日、こんなの始めて)、新年でカラリと気持ちが入れ替わる単純さも手伝いました。
発見されたのはさかのぼること26年、高校時代の日記(好きな男子と宿題、テスト勉強の愚痴が主)から大学時代のヌードデッサンをはじめとする提出物、20代の仕事の成果物、遠距離恋愛をしていた元彼からの手紙、過去の年賀状の束、十数年ぶんのメモ、ネタ、壊れた家電、錆びたテント、サイズの合わなくなった子どものヘルメットなどなど。
数々の思い出に直面し、それをさばきながら腑に落ちたのは、モノを捨てることは過去との決別を意味するということ。それがすんなりできない人は、心の整理も不得意で、そのくせ心に刺さったトゲだけを残してしまうのでは、ということでした。まあ、私ですよ。
遠距離恋愛の相手は、ロマンティックラブ・イデオロギー(→恋愛、結婚、出産がひとつの延長線上に位置してそれらを肯定する考え方。私はひとつの宗教だと思っていますが、日本女子はしばしば無意識に染まっていると思う)にズッポリ首まで浸かっていたころ、2度つきあって2度別れている相手でした(合計3度)。
当時、海外に留学しており、「メールだと無機質だから」と手紙をくれていたようです(覚えてなかったー)。
何通かあるうちの一枚に「キミコを一方的にでも想うことで心が救われる」的な、まさにロマンティックラブ・イデオロギー全開の、そのままJ-popに適用されてもおかしくない一文を発見。そのほか私の存在に感謝するラップにできそうな文面にも刮目(公表してすまん、どこかにいる元カレ)。
仮に私がそのとき存在しなくても(死んでいても)、私を思うことでメンタルが整うとはまさに宗教。その人はお調子者で、本心を言わず、約束をよく破り、私は大切にされているという意識がなかったのですが、あの日あの時、その刹那、彼にとって私はとても影響力のある存在だったのだと実感しました。きっと手紙をもらった23歳のときは泣いたんじゃないかな、覚えてないけどな。
その後、その人とは一度日本で会いましたが、まさかの音信不通となり、消滅。当時きっと私は、「一体あの手紙に書かれていた情熱はなんだったのか……」と絶望したのでしょう。たしか男性不信のようになり、彼氏という存在ができるまでに2年を要した気がします。
覚えていないのは、自己防衛かもしれません。
23歳のわたし、びっくりしたよな~? マジおつかれ、抱きしめてあげたいわ。
今分かることは、おそらく「宗教の鞍替え」。他に拠り所となる人ができたんだろうな、ということ(当時もそう思ってたと思うけど)。
こういう結果だけ見てしまえば「よくある男女のよくありすぎて題材にもならない凡庸なこと」ですが、またイキらせていただくと、人の気持ちの方向性は良くも悪くも続かず、180度変わることもザラ。
この彼しかり、夫しかり。それがデフォルト、普通、標準設定である前提があるからこそ、大切におもわれたその刹那をかみしめて、宝箱にしまっても奢りではないと思うのです。美しきものとして並べ、忘れたころに思い出をそっと愛で、ニヤニヤする楽しみとしていいんじゃないかということ。
小説などで「亡くなった祖父と恋人の手紙」が大切にしまわれいて発見されるシーンがありますよね? 孫は「おじいちゃん、この人のことを大切に思っていたんだ」と感想をもらしますが、私の場合はちょっと違う。
あくまで「心の交流があった事実」を温存しているのであって、その先にある人物に感謝はあれど、思慕はない。存在が大切かといえば、近所のママ友の方がうんとうんと大切です。恋していた人のためではなく、自己満足で満たす薬とするだけなのです。
それは気持ちが「過去のこと」だと整頓されている証拠ともいえるでしょう。ひょっとするとこれば「東カレ」がいうところの「男の恋愛は別名保存、女の恋愛は上書き」における男バージョンの所作なのでしょうが、そう思えたことは初なのです。
終わり悪けりゃすべてダメ、と思わしくない結果の恋愛を葬ってきましたが、キラメキはよきものとして飾っておくこともアリですね。
ファジーな人の心を、一方向のプロセス、ひとつだけの結果で判断する方が乱暴なのだと気付いた2021年元日です。
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