1000人以上に聖火トーチを手にしていただいた私が聖火ランナーになった理由④
2021年5月15日『東京2020オリンピック競技大会』の聖火リレーランナーとして地元島根県浜田市を走りました。
そのときの様子をお伝えします。
リレー当日、現地集合のときのこと
当日、集合時間に指定された場所に行くと審査を通過したランナーたちの顔ぶれが出揃い全員で簡単に挨拶を交わしました。
中継を担うのはNHK。聖火リレーを仕切るのはオリンピック組織委員会の聖火リレーのスタッフの方々です。現地にてオリンピック組織委員会の方から10分程度の説明を受けます。内容としては、1日を通した大まかなスケジュールの概要が中心で、ランナーが走る時間配分や現地までの移動手段などのの指示を受けました。
説明が終わると、その後の時間は本番を想定したリハーサルを行いました。リレーする際、聖火を渡す側と受け取る側とで共にポージングをするよう求められました。前後のランナーの方とレプリカのトーチを持ちポーズをとりながら足並みを合わせる練習もしました。このときに、オリンピック組織委員会のスタッフから走行時のアドバイスも受けました。
『トーチの高さはこれくらいです』
『走りながら手を振ってください』
『笑顔で走りましょう』など、と。
カメラを意識したランナーの在り方の指導を受け、実際にお手本も見せてもらいました。
わずか200メートルの走行!
オリンピック組織委員会の案内で『200メートルを2分で走ってください』と、事前連絡を受けていました。『歩く程度のペース』となることはあらかじめイメージ出来ていたのですが、実際に当日のアドバイスなども考慮しつつ実践すると、簡単なようでいてとても難しかったです。
例えば、片方の手には聖火の灯るトーチを掲げ、もう一方は手を振りながら走るようにお願いされました。私の場合は、手を振ることに集中するとトーチが下がってきますし、トーチに意識を置くと今度は手を振り忘れる。また、前を走行するNHKのカメラを意識する必要もありました。カメラに向かって笑顔を保たなければなりません。笑顔を意識すると、どうなったかは想像にお任せします。
本番では、おぼつかないランナーたちの横を聖火リレーのスタッフが並走し『トーチの高さ』『表情』『手を振ること』などの、支持を出してくれます。
その指示に対して、頷くことも目を向けることも許されません。声を掛けられたら、つい振り向いてしまう私には少し難しいことだったようにも思います。一筋縄ではいかない聖火リレーでしたが、楽しいと感じましたし全ていい経験となりました。
聖火の灯るトーチを記念購入
聖火の灯っていたトーチは、記念に購入しました。
トーチは7万2千円と値が張るもので、買わない人もいたようです。しかし、生涯一度の記念になるものですし購入に至りました。また、自分の身の回りの人たちにもトーチを手に持ってもらいたいと思っていました。実際に手にすることで、オリンピックを疑似体験し元気になってもらえたら嬉しいと考えていたからです。
後で知ったことですが、トーチは事前購入していなければ自分が手に取ったトーチを持って帰れない仕組みだったようです。事後購入した人たちは、オリンピックが全て終了した後に誰が手に取ったか分からないトーチが送られてきたと耳にしました。
それを知って、事前購入しておいてよかったと改めて感じました。自分の手に取ったトーチを、応援に駆けつけてくれた息子にその日のうちに持たせたかったです。また、聖火リレー翌日には私の運営する介護事業所の利用者の皆さんにも持ってもらいと考えていました。
聖火リレーの感想『周囲の喜ぶ姿が嬉しい』
以上が、私が聖火リレーランナーとして地元浜田市を走った日のことです。
息子は、部活を休んで応援に来てくれました。また、思いのほか多くの知り合いが、観覧し声援を送ってくれていて驚きました。それを目にしたときは、心からありがたいと思いました。
私が聖火リレーランナーとして走ったことを両親に声掛けする人もいてくれたようです。周囲の声援で親が喜んでくれたことも嬉しかったです。
自分どうこうよりも、私が聖火リレーランナーとして走ったことで、周囲に明るい話題の糸口が生まれたことがシンプルに嬉しかったです。
次の記事では、トーチを持って浜田市内を巡り延べ1000人以上に手に持っていただいたことをお伝えしています。思いのほか多くの方が笑顔になってくれました。