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わかりやすい市町村森林整備計画

こんにちは。齋藤朱美です。
私は林業専門の地方公務員として働いています。

さて、今年の秋に、同じ職種の先輩、後輩のご尽力により、山形県森林総合監理士会が設立されました。

ことの起こりは、今年の夏。
初めて森林総合監理士の飲み会を開いていただいてから、まさか、会を作るに至るとは正直、思っていませんでした。びっくり仰天です。大変ありがとうございます。

森林総合監理士とは、森林を面的(例えば、市町村レベル)にとらえ、長期的な視点(例えば、10年、長くて100年)で地域の方々が構想をつくるのを支援し、人と人を繋ぎながら、森林を地域振興に結びつけつつ、持続可能な形で管理する人だと私は捉えています。

ハードル高いですね、、、。
アメリカやヨーロッパのフォレスター(森林官)が元になっているのでしょうか?

林野庁の説明はこちら

山形県では、林業専門の県職員が森林総合監理士なるのが一般的ですが、その場合、人事異動により、勤務先や業務内容が2、3年で変わり、地域に根ざした活動を継続するのが難しいと私は感じます。

森林総合監理士会を設立することにより、県内各地の森林総合監理士が情報交換をして、お互いに協力し合う体制を構築することで、どんな業務を担当していても、森林総合監理士として活動し易くなるのではないか、と私は期待しています。

今年は、会の活動として
チェーンソーの伐木研修会を実施しました


そして、このたび、会独自の市町村森林整備計画の様式が公開されましたので、ご紹介します。
会として、間接的に市町村を支援したいという目的で会員が作成してくださいました。

市町村森林整備計画の会独自様式

ホームページに記載されている通り、分かりやすい市町村森林整備計画を作ることができるように様式が設計されています。

1 見やすさを重視した設計
 ・関係者の方々に見てもらえるように配慮
2 「はじめに」の項目を追加
 ・市町村における長期的な森林の構想を明記
3 概要資料の充実
 ・計画の内容をわかりやすく表記

概要資料(チラシ)に長期的な森林の構想の例が記載されています。

スギの人工林


私自身は、市町村森林整備計画の策定に携わったことは無いように思うのですが、携わったことがあったとしても、先に作ってあった計画をただ更新するだけだったかもしれません。

市町村森林整備計画の作成主体となる、市町村の林業担当の職員さんは、農業関係の業務を兼務していることが多く、とても多忙です。
そんな中で、この様式は、市町村の特徴を捉え、住民に分かりやすい計画を作るために役立つと考えます。

市町村森林整備計画は、各市町村のホームページで公開されている場合もあります。
一度、ご自分がお住まいの市町村の森林整備計画をご確認してみてはいかがでしょうか。

たとえば、
・私が住んでいる山形県新庄市の森林整備計画

・山形県西置賜郡白鷹町森林整備計画
 白鷹町は平成25年、26年に豪雨災害に遭って以来、官民一体となった森林を再生する取り組みを進めてきました。

・山形県鶴岡市森林整備計画
 鶴岡市は6市町村が合併して広大な森林があります。独自に保護樹帯や畦畔林を設定し、保全しています。

他県では、
・岐阜県飛騨市森林整備計画
 飛騨市は「広葉樹のまちづくり」を推進していて、天然更新の際に更新調査を実施するという独自の手法を取り入れています。更新の仕方が図解されている点で分かりやすいです。

・愛知県豊田市森林整備計画
 豊田市は地域組織「森づくり会議」という森林所有者の組織があり、県、市、森林組合が連携して森林施業の計画を立てると書いてあり、とても興味深いです。

広葉樹が混交しているクロマツ海岸林


他にも分かりやすく特徴的な森林整備計画があると思うので探してみようと思います!