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民団が小冊子「近代史」発行──「日本人の歴史認識ただすため」といふが「強制連行」「慰安婦」の記述なし(「神社新報」平成16年2月2日)
(画像は朝鮮神宮)
今年の大学入試センター試験の「世界史」に歴史的根拠のない「朝鮮人の強制連行があった」を正解とする設問が出題され、社会問題化してゐる折も折、在日韓国人の団体・在日本大韓民国民団(民団)の中央本部が小冊子「韓国と日本─あらためて近代史を考える」を発行した。
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◇「流浪人が日本に移住」
小冊子は、拉致問題の解決を訴へるため昨年十月に開かれた集会「救う会東京」で基調講演した石原慎太郎都知事が「私たち(日本)は武力で(韓国を)侵犯したんぢゃない」「日本の植民地主義は人道的で人間的だった」などと語ったのを「妄言」ととらへ、日本の指導者たちの「悪意に満ちた歴史認識」をただすために発刊された、と説明されてゐる。
在日の大学教授らが編集を担当したといふ小冊子は、「江華条約」「日清戦争」「日露戦争」など日韓近代史の七項目について検証し、「植民地時代」には「皇国臣民化」政策で「神社強制参拝」「韓国語使用禁止」「創氏改名」が「断行」された、と韓国の国定歴史教科書に似た歴史批判を加へてゐる。
しかしその一方で、日本批判の際の常套句である「日帝」は見当たらない。入試センター試験問題を機に注目されてゐる「強制連行」については言及がなく、代はりに「土地と生活基盤を奪われた流浪民が満洲や日本などに移住した」といふ表現が見られる。歴史研究が進み、事実ではないと確認された「従軍慰安婦」についてはまったく記述がない。
◇在日研究者は「自信喪失」
民団は小冊子を二万五千部を用意したといはれ、国会議員や全国の各自治体関係者、一般個人に無料配布してゐるが、韓国・朝鮮問題が専門の日本人研究者は「強制連行や慰安婦に関する記述がないのは、在日の朝鮮史研究者たちが自信を失ってゐる現れではないか」と語ってゐる。
在日の運動家ならいざ知らず、研究者なら客観的実証的に歴史を探究する。「従軍慰安婦」「強制連行」を記述することには二の足を踏まざるを得ないのであらう。
だとすると、「強制連行があった」と記述する日本の歴史教科書や、その教科書に基づいて出題した大学入試センター試験の異様さがあらためて浮かび上がってくる。