詩 ・ 片目で見る夢


左目だけをつむって
見た夢は
あの夏の午後
夕暮れにかがやく路地
縁台で将棋を指して
そのまま七輪を出してきて

右目だけをつむって
見た夢は
あのひとを傷つけず
愛されたままの笑顔
いつまでもつづく日々

はやく両目をつむりたい
そして
そのときは
ほんとうにあった夢を
見る勇気があるといい

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