nikki 20220812
ワールズエンドクラブをクリアした。
デスマーチクラブとして制作発表された頃から知っていた。公式サイトのURLがデスマーチクラブのままなの、ちょっとウケる。
クリアにかなり時間がかかった。そこも含めて感想を書く。
ストーリー、良かった。イラスト、とても良かった。モデリング、とても良かった。
アートワーク、良かった。音楽、良かった。
ただ、とにかくモッッッサリしていた。
なんて説明すればいいか分からないのだけれど、とにかく選択肢を選ぶ時のエフェクトとか、アクションゲームパートとか、細かい部分でのイライラが積もりに積もってしまうゲームだった。1度では理解できないギミック、当たり判定の曖昧さ。ゲームオーバー画面が長かったり、必殺技の使い方がキャラによって微妙に異なったり(Aボタンを押すタイプとAボタンを押してからもう一度Aボタンを押さないと発動しないタイプがいる)、暗い地面に黒い穴が空いていたり。もう挙げだしたらキリがない細かなイライラポイントが、とにかく多く蓄積されていくのだ。
あまりのモッサリ感に、途中で難易度を下げた。難しくて下げたのではなく、耐えられなくて下げた。正直不本意だ。
これはUIの問題なのかなと最初は思ったが、今では、そもそもこのゲームの根幹からの問題点のように感じる。
というのもアクションパートだけではなく、ストーリー中にもモッサリ感があるからだ。
ストーリー中のモッサリ感、それはテキストとフルボイスと3Dモデルの動きが、過剰なことである。
テキストとフルボイスは、ノベルゲームならば適切な量の説明と表現だっただろう。モデルの動きも本格アクションゲームならばちょうど良い塩梅だっただろう。
でもこのゲームは、全部をしっかり乗せた結果、めちゃくちゃ動作が重くなってしまっている。モデルの動きに合わせて出てくるテキストは、サクッとは出てこない。テンポよく見たい掛け合いパートも、モデル読み込みにより切り替えに時間がかかる。重厚なストーリーにもアクションパートが挟まることにより、ラスボスか!?→まだ続くの流れに正直ゲッソリしてしまった。
そう、このゲームにおけるモッサリ感とは、「盛りすぎ」感なのだ。
やりたいことはわかる。し、やり切っている部分は凄いと思う。実際演出面やアートワーク、シナリオはかなり高水準だと思う。
けれど、引き算が出来ていない。とにかく全部盛りすぎなのだ。その結果、イライラが募るプレイヤーと盛り上がっていく展開の間でどんどん乖離が生まれていく。
キャラゲーとしての側面も強く出ている作品にとって、この現象は正直壊滅的だろう。
私はあまりにもキャラクター達と自分の気持ちが離れすぎて、2度ほどこのゲームを寝かせた。これがクリアまで時間がかかった理由である。
わたしはガンバレ組のことが大好きだ。魅力的なデザイン、魅力的な設定を持った、愛すべきキャラクター達と思う。
だからこそ彼らと共にする冒険を楽しめなくなるモッサリ感に、最後まで憤った。
制作側に「これはちょっと盛りすぎじゃないですか?」という視点と改善があれば、更なる名作になったと思う。何より人に勧められるゲームになったと思う。
正直このゲームは、クリアして楽しかったしガンバレ組のことは大好きだけど、人に勧める気にはならない。それくらいには、モッサリ感が強すぎた。勧められる場合としては、イラストレーターの竹さんが好きという人に向けてかなと思う。キャラデザとスチルは全部めちゃくちゃ良かったので……
兎にも角にも、クリアした。数多あるモッサリポイントに憤りながらも、ガンバレ組のことを最後まで見届けようと思うことはギリギリできた。
愛憎渦巻く胸の内だけれど、ポチと会えたこと、れいちょの声を聞けたこと、そしてガンバレ組の一員になれたことは、純粋に嬉しく思っている。