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【#181_研究メモ】 学習する組織への移行を支えるスピリチャル・リーダーシップ~Fry(2003)からの学び vol.03
Fry(2003)では、加速化する社会環境の変化に適応するためには、従来の伝統的な「中央集権化・標準化・形式化に基づいた恐怖主導の官僚組織」ではなく、「明確に表現された組織のビジョンを達成するためにエンパワーメント(権限委譲)されている」学習する組織(Senge, 1990)への転換が不可欠であると語れています。
そして、その学習する組織への転換を支えるために、スピリチャル・リーダーシップは不可欠であると、強く述べられていました。
学習する組織と、スピリチャル・リーダーシップの繋がりを考える上で、「精神的な生存(Supiritual Suvival)」という考え方が接点になります。
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「学習する組織」への移行を実現するためには、スピリチュアル・リーダーシップの実践的な行動である、
召命(Calling) を通じて、組織のメンバーが人生に意味を感じ、社会に貢献できると実感できるビジョンを創出すること。
利他的な愛(Altruistic Love) に基づく社会的/組織文化を確立し、リーダーとフォロワーが互いに真の配慮、関心、感謝の念を持ち、帰属意識(Membership)を生み出すこと。
を重視し、メンバーの「精神的な生存」を満たすことが、非常に重要になるとの考え方です。
「学習する組織」への移行という文脈にスピリチャル・リーダーシップを位置づけることで、より直接的に組織開発的な文脈との接続が生まれていたのですね!
本論文は、2003年なので、スピリチャル・リーダーシップについても、その後、理論的な深化と実証的な研究がなされていると思います。直近は、ファミリー・ビジネスの事業承継に関する研究に時間を割いているのですが、”これからの社会におけるリーダーのあり方”は、個人的にとても関心がある領域なので、少しずつでも、ライフワーク的に、触れ続けていきたい領域です。